平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−4

専門分類

1

研究課題名

変換された観測値に基づく形の統計的推測について

フリガナ

代表者氏名

フタツヤ マサオ

二ツ矢 昌夫

ローマ字

所属機関

弘前大学

所属部局

理工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

平面上にn個の点が与えられているとする。各個体の観測値はこれらのn個の点に誤差が入り、変換(個体により異なる)されたものが与えられると仮定する。
これらの観測値に基づき最初のn個の点の推定、検定等を行うこと及びこれらのモデルを実際の問題に適用することを目的にする。


平面上にm個の点がある。ただし、x座標値の和を0、y座標値の和を0、且つそれぞれの座標値の平方和を1とする。これらのm個の点のx座標、y座標にそれぞれ互いに独立な平均0、分散σ2の同一分布に従う誤差が加えられたものがn組あるものとする。今、このn組にそれぞれ異なる相似変換(回転のパラメータをθ1、縮尺のパラメータを a1、平行移動のパラメータをb1,c1,i=1,2,・・・,nとし、これらのパラメータはいずれも未知とする)を施したものがデータとして得られると仮定する。これらのデータに基づき、最初のm個の点の座標値と相似変換のパラメータたちを推定する方法を研究した。
結果として、最小2乗法による推定値は固有値問題を解くことによって得られることがわかった。また、最尤法による推定値は、誤差の分布を正規分布に仮定したとき、反復法によって得ることができた。
これらの推定方法を比較検討するために次のような実際のデータを収集した。一つは木の葉で、紅葉とヒッコリーのそれぞれ3本の木から数枚づつ集め、それらの頂点の座標値を測定したものである。もう一つは漢字で、『弘』、『二』、『子』、『六』、『学』、『啓』、『観』をそれぞれ10文字づつ60名分集め、それらの文字の画の座標値を測定したものである。これらの数値で検討した結果、最小2乗法、最尤法の推定値は小数点3桁まで同じになり、見た目での差はないことがわかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

二ッ矢昌夫・高橋宏一,誤差のある相似なデータによる点図形の推定,日本統計学会,1993年7月23日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ここでは、変換は主に相似変換についての推定、判別等の理論を研究する予定である。
実際的な適用例としては、各個人によっていろいろなところに書かれた同一の文字より、その人の文字を推定する。そして、この推定した文字を使用して書いた人を識別する方法を理論と実際のデータにより検討する。
また、種種の木の葉の形の推定などをモデル構築から検討する。このために、多くの基礎的な文献及び資料を有する統計数理研究所との共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高橋 宏一

石巻専修大学

平野 勝臣

統計数理研究所