平成222010)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

22−共研−1008

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

3

研究課題名

症候サーベイランスにおける統計解析手法の研究

フリガナ

代表者氏名

タカハシ クニヒコ

高橋 邦彦

ローマ字

Kunihiko Takahashi

所属機関

国立保健医療科学院

所属部局

技術評価部

職  名

研究員

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は最近世界的に注目されている症候サーベイランスに関連し,その統計解析法についての研究である.特にその解析として中心的に用いられる「集積性の検定」という対象イベントがある地域に集積して起こっているかどうかを検討する際に有用となる統計的検定手法について検討を行う.実際に米国では集積性の検定によるサーベイランスが行われている.そこで本研究課題では,申請者らが開発した平面における検定手法の拡張を含め,サーベイランスに適用するための時間要素を含めた検定手法の開発を行い,さらに米国で用いられている手法などとの比較のための評価についても検討を行うことを目的とする.
本年度の研究としては,従来の統計モデルでは考慮されていなかった突発事象の立ち上がりを新たにモデル化した空間・時間スキャン統計量を開発し,提案した。実際,小学校の学校欠席数をもちいたサーベイランスデータに適用し,またシミュレーション比較を行ったところ,従来モデルとの比較し,より事象発生の立ち上がりをより正確に検出することができた。さらに,各地域の人口サイズなどによる指標のばらつきの大きさを考慮し,それを統合した形での統計量について検討をおこなった。特に分散安定化変換を用いた統合統計量を提案し,いくつかのシミュレーションによる比較をおこなった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・Tango T, Takahashi K and Kohriyama K (2010). A space-time scan statistic for detecting emerging outbreaks. Biometrics 67, 106-115.
・Takahashi T, Tango T. A maximum scan score-type statistic based on Anscombe's variance stabilization transformation for disease clustering. XXVth International Biometric Conference, Floripa, Brazil, 5-10 December 2010.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

丹後 俊郎

国立保健医療科学院

飛田 英祐

国立保健医療科学院

山岡 和枝

国立保健医療科学院