平成212009)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

21−共研−1006

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

統計的日本人研究のための調査法の基礎的な検討 ― 特に質問文の検討

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

Sakamoto Yoshiyuki

所属機関

一橋大学大学院

所属部局

経済学研究科

職  名

特任教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

2003(平成15)年に実施された「第11次 国民性調査」では、意識に関する質問に対する回答結果の変化が数字上は小さく、その点がこの2003(平成15)年調査の最大の特徴とも言える程であった。しかし、他方で、回収率は調査史上最低の56%を記録した。その主因は「拒否」の激増にあったが、「拒否」はサンプルの意思表示であるから、この点では大きな意識変化があったことになり、人々の間に調査や社会に関わることへの消極的な態度や不安が蔓延しているのではないかと思わせた。この研究では、本当に意識の変化は小さかったのか、それとも、質問文の陳腐化等、他の要因によるのか、といった問題を再検討することを目的とした。また、格差問題等、これまで国民性調査であまり分析されてこなかった領域の社会的な諸問題に関しても、新しい意識動向を描き出し得る質問文について検討することを目指した。特に、2008(平成20)年度は「第12次 国民性調査」の実施年度であったので、以上の問題意識を念頭に置いて、過去の国民性調査を振り返りながら、以下の点等について検討した。

1.2008(平成20)年の「第12次 国民性調査」の結果もまじえた総合的な分析に基づき、回収率の低下のもたらす問題点、社会経済的な変化と意識の関係等について考察する。
2.格差社会、少子化、高齢化社会等、最近の社会現象についての、計量・非計量両面にわたる新しい分析や研究成果をレビューして、意識の新しい動向を捉え得る質問文について考察する。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

坂元 慶行(2010).「一寸先は闇」,『よろん』(日本世論調査協会報),第105号,1頁.
坂元 慶行(2010).「統計的日本人研究雑感 ? ある国民性調査係の36年の思い出」,『統計数理』,58巻.(近刊)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

特になし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

土屋 隆裕

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所

前田 忠彦

統計数理研究所

松本 渉

統計数理研究所