平成101998)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

10−共研−108

専門分類

8

研究課題名

都内肢体不自由養護学校における訪問教育の実態調査及び今後のあり方に関する研究

フリガナ

代表者氏名

タイジ マコト

泰地 真弘人

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計計算開発センター

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

都内肢体不自由養護学校では、医療行為が必要な重度障害の児童・生徒については家庭で、また難病等で長期入院をしているケースには病院や施設内で「訪問学級」として教育の機会を保障してきたが、授業時数や指導体制、高等部教育の保障等の点で通学生との違いが生じている。そこで現在の訪問教育の実態を統計学的に明らかにし、今後の訪問教育の望ましい在り方について研究する。


東京都訪問教育研究協議会で会の発足以来継続して来た「基本調査」をこれまで行って来た方式から全面的に改め回答をマークシートへ記入してコンピューターを活用した統計処理を行う方式にすることが確立出来た。これとともに調査対象を「訪問教育」に携わる教員ばかりでなく実際に「訪問教育」を受けている児童・生徒の保護者にまで広げ包括的な調査を実施することが出来た。
また質問票を「各学校の訪問教育の代表」、「訪問教育に携わる担当教員全員」、「児童・生徒(回答はそれぞれの担任教員がした)」、さらに「児童・生徒」の保護者を対象とするものに分けて新たに作成しなおしたことにより「訪問教育」を取り巻く関係が浮き彫りにする事が出来た。
調査の回答を統計的に処理し、分析していくなかで「訪問教育」の課題がより明確になった。具体的には、先ず「訪問教育」の対象となる児童・生徒、そしてその保護者の置かれている学校教育を含む社会的な状況について、そしてその中で営まれている個々の家庭での生活のいくつかの側面が明らかになった。
改善すべき点が実際にどの程度の要望を背景にして明確になって来るのかを統計的な数値とともに視覚的に図表やグラフを駆使して示すことが出来た。また現実的にどのような教育(授業)内容を充実させていくべきか、どのような視点で学習活動を支援していくべきなのかが把握出来た。また教職員の置かれている現在の、時間的物理的に困難な状況も鮮明になった。
計算量の理論を可視化して直感的に理解する研究を共同研究として行なった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

『研究集録』(平成10年度東京都訪問教育研究協議会編)「基本調査まとめ」(都立八王子東養護学校 功刀幸彦)1999年2月6日

「基本調査まとめ」(都立八王子東養護学校 功刀幸彦) 東京都訪問教育研究協議会 1999年2月6日 於:都立北養護学校
「訪問教育の未来と課題」(都立墨東養護学校 秋沢進 都立八王子東養護学校 功刀幸彦) 全国訪問教育研究会(1999年7月予定)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 養護学校の義務制実施以降、訪問教育は養護学校の指導の一形態とされ、児童・生徒一人一人の障害の状態に応じた指導を目指しながら、制度的には少しずつ改善されてきた。しかし、医療行為を必要とする児童・生徒への対応、集団学習指導の保障、病虚弱児教育や高等部教育試行においての教育課程等の検討、また、施設内での教育保障の面でも様々な課題があり、多面的に問題が山積している。そこで、小・中・高の全学部における訪問教育指導の充実のために=1児童・生徒の実態の把握、2障害児を支える家族の思い、3実際に指導にあたる教員(学校)の考え方=について、汎用統計処理ソフトを用いてそれぞれの相関関係を検討し、上記の課題解決について研究する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

秋澤 進

東京都立墨東養護学校

植竹 勝彦

東京都立墨東養護学校

功刀 幸彦

東京都立八王子東養護学校

竹内 弥恵

東京都立城北養護学校

田中 克子

新宿区立新宿養護学校

吉本 睦子

東京都立八王子東養護学校