平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−99

専門分類

9

研究課題名

リモートセンシングデータの分類に関する統計的解析

フリガナ

代表者氏名

ニシイ リュウエイ

西井 龍映

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

総合科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人工衛星からのマルチスペクトルデータを解析するにあたって、あらかじめ未分類データのカデゴリカルな所属を知るのはリモートセンシングデータのみでは不可能である。所属を知るための地上調査データとして土地利用に関する国土細密数値情報を用いて、全数調査により解析手法別の精度を検討する。


衛星が登載しているセンサーからのマルチスペクトルデータから地表の土地利用状況を効率よく判別する手法の研究を目的とする.教師データを用いて判別ルールを構成し、どの程度の判別能力があるかで、良さを検証する.今年度の研究成果は以下の通りである.
・2分決定木による判別法を自動的に作成する方法の開発 スペクトルデータに分布を仮定せず、高速で判別が行える2分決定木での判別法を自動的に作成する手法を提案した.分類に用いる変数として、それぞれのバンドの値、2バンドの線形結合を用いる.
各ノードは (1)どの変数を用いて (2)しきい値をいくらに設定して (3)どのように土地利用分類の群を2分割するか を自動決定する.分類の良さの基準として、誤判別数と誤判別率を用い、線形判別関数による分類結果と比較した.平均判別率では遜色がないことが示せた.
・低解像度の熱画像の高解像度化 TMセンサの熱画像(バンド6)の解像度は他バンドより1/4であるため、判別効率を高めるためにはバンド6の解像度を他バンドと同程度に向上させることが重要である.ここでは各ピクセルデータは多変量正規に独立に従うと仮定し、バンド6の値を他バンドの一次結合を加えることにより改良した.広島のデータに適用し、効率を確認した.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

R. Nishii, Convergence of the Gram-Charlier expansion of the signed log likelihood ratio, Communication in Statistics -Theory and Methods, 23(9), 2605-2614, 1994年9月

R. Nishii, T. Yanagimoto and S. Kusanobu, Parametric empirical Bayes methods for destriping Landsat images, International Conferece "Statistics in Industry, Science and Technology", 1994年7月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1989年のLandsat TMデータを中心としたリモートセンシングデータを画素対画素で一致するように再配列することによって、未分類のリモートセンシングデータの所属を全数調査することができる。分類手法別、データの季節別、センサー別等のケースごとに、分類精度を求めて、分類精度に影響を及ぼす諸要因について、統計的な見地から考察する。
このような解析を行うには、まずデータのノイズを低減させる必要がある。また多変量解析的手法を必要とする。そこで統計数理研究所のこの方面の強力な理論研究スタッフとともに研究する必要がある。また統計数理研究所の良いワークステーション環境を利用して、統計処理や画像化、そのハードコピーを作成し、研究成果を得る。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金藤 浩司

統計数理研究所

草信 佐栄子

広島大学大学院

田中 章司郎

島根大学

柳本 武美

統計数理研究所

吉川 雅修

山梨大学