平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2068

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

5

研究課題名

木質建材生産および建築施工における炭素の収支分析

フリガナ

代表者氏名

カワナベ  アイコ

川鍋  亜衣子

ローマ字

KAWANABE Aiko

所属機関

公立大学法人 秋田県立大学木材高度加工研究所

所属部局

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

【研究目的】
炭素を固定し製造時の炭素排出が少ないとして有効利用が期待される木質建材(一般製材品)について、植林から建築施工での利用までの各段階の炭素固定量と排出量の算定事例を収集し、炭素収支を推定する。
【研究成果】
 排出源および消費エネルギーに関するデータを収集し、製材の一般的なフローとして想定される二種類のパターンを設定して、炭素排出量を推定した。また、製材品の単位材積あたりの炭素量を計算し、それと比較した。推定にあたっては、「林地作業」「原木選別」「林地から製材加工・人工乾燥地間の輸送」「製材加工・人工乾燥」「製材加工・人工乾燥地から再加工・組立地間の輸送」「再加工・組立」「再加工・組立地から建築施工現場間の輸送」の各段階について、筆者らによる既往研究におけるデータの補完によって行った。
 その結果、製材品1m3あたりの炭素固定量が157kg-C/m3(容積密度314kg/m3、炭素含有率0.5の場合)であるのに対して、上記の7段階の範囲における炭素排出量は、製材品生産地(秋田県)の近隣地(同県)で建築施工するパターンについては30 kg-C/m3程度、製材品生産地(秋田県)の遠隔地(東京都)で建築施工するパターンについては57 kg-C/m3程度になり、炭素固定量が排出量をかなり上回ることが分かった。
ただし、上記の数値は、有用なデータが得られなかった「育林・植林」と「現場施工」の二段階での排出分が含まれていないため、研究目的で設定した範囲においての排出量は、上記より多いことになる。従って、それらの段階における排出量の多寡を今後分析しなければ炭素収支は評価できないことと、製材品のライフサイクル全体における炭素収支を言うには、製材品の廃棄時期と再利用の有無や算定原単位の影響度について明示すべきであることが分かった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

発表予定
1)2010年度日本建築学会大会(北陸)学術講演会
2010年9月9日(木)〜11日(土)
発表予定
2)第61回日本木材学会大会(京都)
2011年3月18日(金)〜20日(日)
詳細未定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

吉本 敦

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所