平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2055

専門分類

8

研究課題名

統計手法による文章の計量分析

フリガナ

代表者氏名

ムラカミ マサカツ

村上 征勝

ローマ字

Murakami Masakatsu

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計手法の応用領域として,文章の計量分析は非常に魅力的な領域である。文章の計量分析によっ
て,文学,哲学,宗教学,歴史学等の研究領域で,従来の文献学の研究方法では得られなかった
新しい知見が得られるならば,人文科学の分野の研究者に統計学の威力を認識させることになり,
統計学はこの分野でも重要な研究手法として評価されることになる。
そこで本研究では,
・『源氏物語』(複数作家説の解明,及び成立順序の推定)
・井原西鶴作品(複数作家説の解明)
・『梵文法華経』(成立順序の推定)
等の文章の計量分析を行ない,それぞれの文献に関する問題点の解明を試みる。それによって統計
手法の新たな応用分野を開拓することを目的としている。
本年度の研究経過及び成果は以下の通りである。
『源氏物語』に関しては助動詞の出現率の分析を行い,54巻の成立順序に関し仮説を提案した。
また『源氏物語』の研究を更に進めるためには『源氏物語』と同時代の『うつほ物語』の文章
との比較分析が必要との判断から,『うつほ物語』のデータベース作成を進めた。
井原西鶴の作品に関しては,『好色一代男』,『諸艶大観』,『好色五人女』,『好色一代女』,
『椀久一世物語』の五作品のデータベース化を行い,
作成したデータベースを用いて自立語用例総索引を出版した。
『梵文法華経』に関しては予備的な計量分析に入り,計量分析の問題点等を宗教学会学術大会で報告
した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

〔学会発表〕
・サンスクリット大乗仏典の計量分析の方法と問題点,1999年9月,日本宗教学会学術大会
・文章を科学する?総合的な学習への一つの提案?,1999年11月,総合学習学会第一回大会
・データで読み解く源氏物語,2000年3月,生命ソフトラボラトリー研究会
〔論文等〕
・村上征勝(2000)「古典文献の新たな研究法」,古典学の再構築,No5,44-45
・村上征勝(2000)「源氏物語を数字で読む」,ESTRELA,No71,76-79
・村上征勝(2000)「古典文献の計量分析」,ESTRELA,No72,77-80
・村上征勝他(2000)『新編西鶴全集第一巻 自立語索引編 上・下』,

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 瑞叡

立正大学

今西 裕一郎

九州大学

魚住 超

室蘭工業大学

金 明哲

札幌学院大学

久保 洋

室蘭工業大学

古瀬 順一

宮崎大学

中島 晃

北海道大学

中谷 英明

神戸学院大学