平成262014)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

26−共研−2059

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

7

研究課題名

公的産業統計調査結果による経済低成長期の企業投資による産業構造変容の解析手法に関する実証研究

フリガナ

代表者氏名

フルズミ ヒロキ

古隅 弘樹

ローマ字

Furuzumi Hiroki

所属機関

兵庫県立大学

所属部局

経済学部

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

127千円

研究参加者数

11 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 本研究の目的は、バブル経済崩壊以来つづく経済の低成長期における産業構造の変容の解析手法を公的企業統計の調査結果を用いて実証研究を行うことであり、とりわけ、産業構造変化の要因と考えられる設備投資や研究開発投資が企業の所属産業をどのように変えるかを明らかにしたい。
 統計調査における産業とは、同種の経済活動を行う事業所の総体として日本標準産業分類を使用して定義されるが、産業を構成する個々の事業所はそれを統括する企業の経営意思によって活動状況を変化させている。つまり、産業構造の変動は企業活動の側面と生産活動の両側面を併せ捉える必要がある。
 企業活動とその生産活動については財務諸表データからある程度の動向を知ることが出来る。とりわけ賃金と技術変化の基の設備投資は当該企業の現在および近未来における付加価値の生産活動に使用されうると想定できる。さらに、その設備投資にかかる要因は研究・開発投資に求めることができるが、その因果関係を観察可能な統計データは存在しない。しかし、衰退もしくは繁栄産業で生み出された利益から、どのような産業に先行投資されるかを分析し産業構造の変容を議論することはできる。これまでに実施されてきた事
業所ベースの産業統計および企業統計の調査結果から、これらの関連性の追求可能性を検討し、解析手法を検討する。
 以下で報告するとおり、研究領域が重複する科研費研究会(研究代表者:松田芳郎)との合同研究会を開催し、相互の研究資源の共有を図った。また関連研究についてはいくつかの学会で口頭報告を行っており、年度末には成果報告として共同研究リポートを発行することができた。平成26年度の研究進捗については、共研リポートのタイトルを中間報告としたとおり研究準備的な成果報告にとどまったが、継続年度では公的統計の個票情報を活用した研究・分析を加速させたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【共研リポート】
・統計数理研究所共同研究リポート337
 『産業構造の変容と公的統計の利用(中間報告)』2015年3月

【学会報告】
・作間逸雄「研究開発は資本形成か?」日本経済学会2014年度春季大会(2014年6月14日、同志社大学)
・古隅弘樹「事業所・企業統計調査と法人企業統計調査を組み合わせた遡及的データベースの構築」経済統計学会 第58回全国研究大会(2014年9月11日、京都大学)
・松本大吾・古隅弘樹・松田芳郎「多国籍企業の分類基準に関して」日本分類学会 第33回大会(2015年3月3日、帝京大学)
・古隅弘樹・松田芳郎・馬場康維「企業における兼業構造の変容と産業分類について」日本分類学会 第33回大会(2015年3月3日、帝京大学)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成26年度第1回合同研究会
○統計数理研究所 共同利用研究(一般研究2) 課題番号:26-共研-2059
研究課題:公的産業統計調査結果による経済低成長期の企業投資による産業構造変容の解析手法に関する実証研究
研究代表者:古隅 弘樹(兵庫県立大学)

○科学研究費補助金 基盤研究(B)一般
研究課題:低経済成長下での産業・企業構造の変容の測定:産業格付けの変動と中小企業問題
研究代表者:松田 芳郎(統計情報研究開発センター)

○日時:2014年5月18日(日曜日)
○場所:統計数理研究所 八重洲サテライト会議室(八重洲ダイビル1階105)
○プログラム
11:15 開場予定
11:30 - 12:50 ランチオンミーティング(実務関係者)
13:00 合同研究会開始
【第1部】13:00 - 14:30
・13:00-13:30 松田科研延長申請にかかる研究計画および概略(松田芳郎)
・13:30-14:00 事業所・企業統計調査の事業所回顧IDを用いたlongitudinal dataの作成について(古隅弘樹)
・14:00-14:30 多国籍企業解析のための事業所・企業統計調査結果と経済センサス基礎調査の活用可能性に関して?租税回避地に関する集計の試み
(松田芳郎・松本大吾・古隅弘樹・真崎弘治)
【第2部】14:30 - 16:00
・14:30 - 15:30
事業所母集団データベースの整備について(総務省統計局 高部勲)
平成24年経済センサス ?活動調査の調査精度について(総務省統計局 中島一浩)
・15:30-16:00 質疑応答
(16:00 - 16:30 coffee break)
【第3部】16:30 - 18:00
・16:30-17:30 生産者のための物価指数 ?実質利子率の計測に用いられるべき物価指数は何か?
(作間逸雄)
・17:30-18:00 討議課題 今後の集計計画について
参加者数13名
※研究会終了後に場所を変えて懇親会

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大矢 奈美

青森公立大学

今 喜典

公益財団法人21あおもり産業総合支援センター

作間 逸雄

専修大学

周防 節雄

公益財団法人 統計情報研究開発センター

土屋 隆裕

統計数理研究所

椿 広計

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

松田 芳郎

公益法人統計情報研究開発センター

松本 大吾

青森大学

山本 俊

ノースアジア大学