平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−67

専門分類

7

研究課題名

心理的ストレスと健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

現代社会において,社会,文化,心理的要因から受ける心理的ストレスの健康影響が少なくないことが指摘されている。このような心理的ストレスの影響のダイナミックスの分析をめざすものであるが,本研究では,心理的ストレスを測定するために作成された調査票による調査結果をもとに,調査票を評価・再検討し,心理的ストレス測定の調査票を完成させる。


平成3年度は前年に引きつづき、心理的ストレスを測定するために作成された調査票の検討を進めた。この調査票はアイゼンクによるストレスの受けとめ方をみたパーソナリティタイプの型分類の質問を本研究で日本語に翻訳したものである。本年度は学生や看護婦などを対象に調査データを集め分析した。これと既存の翻訳との2種類の翻訳による違いも検討して本質的な質問を抜き出し、被調査者の負担を少なく効率的に結果が得られるようにすることをめざした。
まず、これまでに得られた2つのグループに加えて得られた3つのグループのデータからも、似た回答分布を得、ある程度の安定性は確実なものと考えられた。加えて、既存の翻訳に対する回答データも集め比較したところ、51問のうち数問はかなりの回答の率が異なり、翻訳によって意味が違ってくることがわかった。
次に、質問の分類についての検討を行った。回答のパターン分類によると、どちらの翻訳についても、アイゼンクの示した4つの型に対する質問群と近い分類が得られ、質問群の分類が適切であることが示された。部分的に分離できなかったものについては、翻訳によるものか、もともとの問題か、対象の違いかは今のところ判定できていない。
51問からなる質問票は、実際に一般の調査に用いるためには、できるだけ少なくした方がよく、上の分析をもとにして分類の不確かなものを除くことが、本質的な質問を選び出すことになると考えられる。次年度には、質問の順を変えた場合なども検討して、調査票を確定したい。アイゼンクのいう、虚血性心疾患、ガン、その他、健康との関係を、日本人について調べられるようにすることを目指す。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

93年度の行動計量学会に発表の予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ストレスにかかりやすいパーソナリティのテストを翻訳した調査票である程度のデータが得られ,実用可能性,妥当性がわかってきた。本年度は別のテストの調査も試みたい。また,環境要因の違いによるストレスの比較のための在米日系人調査,日本での一般調査も計画されている。これらの分析をもとに,ストレスにかかりやすいパーソナリティのテストも加えて,健康状態にあたえるストレスの影響を測定するための調査票を作成する。医学(公衆衛生学)統計的分析のため,また,日系人の意識調査は統計数理研究所の日米比較研究などとの関連も深く,共同研究の必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学