平成192007)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

19−共研−2051

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

6

研究課題名

ESPコーパス語彙の頻度と習得困難度に基づく統計尺度

フリガナ

代表者氏名

コヤマ ユキエ

小山 由紀江

ローマ字

Koyama Yukie

所属機関

名古屋工業大学

所属部局

工学総合教育センター

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

200千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

[目的]
コーパスに出現する語彙の頻度と日本人学習者にとっての困難度は、必ずしも一致しないという先行研究を踏まえ、本研究では、さまざまな種類の語彙テストの結果を基に、ESP学習者の語彙の習熟度を測定するためにはどのような統計的手法を用いることが適切であるかを明らかにし、また、同時に、レベル別コーパスに出現した特徴語のそれぞれの頻度と、学習者の困難度の測定結果から、ESP教育用重要語彙の評価尺度を確定するための統計手法を決定することを目的とした。また、語のレベルではなく句のレベルになった時の学習語句に関しても、統計による確定を試みた。

[成果]
 本共同利用研究の成果発表のため、平成20年3月30日、第3回「言語と統計」ワークショップを統計数理研究所講堂において合同で実施した。本ワークショップは石川慎一郎神戸大学准教授が代表を務める研究グループ、田畑智司大阪大学大学院准教授が代表を務める研究グループと合同で行ったもので、広く言語統計に関心のある研究者を集めた。ワークショップの発表は以下の通りである。
後藤一章(大阪大学):コーパス分析に基づく関連動詞の抽出とその利用
藤原康弘(中国学園大学・非常勤講師):「日本人英語学習者の「創造的」英語使用における量的分析」
三宅 真紀・田畑 智司(大阪大学):「<i>Gentleman</i> in Dickens: 多変量アプローチによるコロケーション分析」
石川有香(名古屋工業大学):「ESP学習者の自己評価と学習困難項目の関係」
中野智文(名古屋工業大学):「統計的尺度を用いた教育のためのMulti Wordの一般化手法」
小山由紀江(名古屋工業大学):「Multi-Word Expressionに関する統計と教育への応用」
石川慎一郎(神戸大学):「学習者コーパスCEEJUSに見る日本人英語学習者の語彙知識と語彙産出」
中尾桂子(神戸大学・非常勤講師):「学習者コーパスの評価に対する量的検証?作文の主観的評価における「良さ」判断の根拠特定にむけて」
水本 篤(流通科学大学):「自由英作文評価における語彙の指標と評価の関係」
また、上記セミナーのプロシーディングズをかねるものとして,共同研究リポート216号『ESPコーパス語彙の頻度と学習困難度に基づく統計尺度』が刊行された。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

●論文
【共同研究リポート216執筆論文】
石川 有香 名古屋工業大学 ESP学習者の英語能力自己評価の統計的分析
石川 有香 名古屋工業大学    英語理解度テストの因子分析
中野 智文 名古屋工業大学    尤度または事後確率による単語の出現確率の期待値
小山 由紀江 名古屋工業大学   Multi-Word Expression に関する統計と教育への応用
中野智文・小山由紀江         電子辞書を用いた科学技術コーパスの熟語頻度
中野智文・小山由紀江・竹内将吾    e-learning データに基づいた英語学習者の弱点

【その他】
中野智文・犬塚信博・小山由紀江・石川有香  分散共起尺度の提案.
人工知能学会研究会資料 SIG-DMSM-A603-01, pp. 68--74, (2007)

石川有香  大学生の語彙力測定テストにおける問題提示方法の影響
中部地区英語教育学会 37巻, pp. 223-230 (2008)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

テーマ:第3回「言語と統計」ワークショップ
日時:平成20年3月30日(日)
場所:統計数理研究所講堂
参加者数:32名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石川 有香

名古屋工業大学

清水 裕子

立命館大学

中野 智文

名古屋工業大学

前田 忠彦

統計数理研究所