平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−3

専門分類

1

研究課題名

分散共分散行列が構造をもつときの推測理論

フリガナ

代表者氏名

サトウ マナブ

佐藤 学

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

分散共分散行列が構造をもつか否かで推測理論は大きくわかれる。そこで,ある構造を持つかどうかの検定法を開発する。さらに,構造を持つと仮定しうる場合に,その性質を用いて母数推定を効率よく行うにはどの様な方法が考えられるかを研究する。


分散共分散行列がある構造をもつと仮定し得るときには、その特徴をいかして推測することが望ましい。しかし、その仮定が満たされていなかったときには、不適切な推定方式になってしまう。
Nitta et al.(1994)は、発生源寄与率の変動係数が一定という仮定のもとで分散共分散行列のスカラー倍の和として表現されることを示した。しかし、居住環境では外気の影響に比べて室内に発生源があるタバコの影響が大きいと考えられ、変動係数が一定とはみなしがたい。
そこで、変動係数が一定という仮定を設けずに発生源寄与率の最小2乗推定量を導出してその分散共分散行列を求めた。そして、実際のデータを解析して、寄与率に喫煙本数が反映した解釈しやすい結果を得た。これらは、日本統計学会で講演して批判を仰ぎ、学術雑誌のEnvironmetrics誌に投稿中である。
また、テトラヒメナ中のダイニンのデータの解析において、どんな共分散構造を仮定するのがふさわしいかを検討した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Ohtaki, Sato and Nitta, Estimating source apportionment of particulate matters based on source profiles with fluctuations, submitted.
Masuyama and Shigenaka, Two active fragments of outer arm dynein from Tetrahymena cilia-Purification of Fragment-β and -γ, J. Biochem., in press.

大瀧慈、佐藤学、新田裕史、 ランダム係数回帰モデルの適用による発生源寄与率の推定?大気汚染データの解析?、日本統計学会、1995年7月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

分散共分散行列が構造をもつ場合の解析法として,因子分析,潜在構造分析,共分散構造分析などが知られている。しかし,それらは個別に議論されていて,データがどのような構造をもっているかの判定法の開発は,十分に行われているとはいいがたい。そこで,従来用いられている方法を再検討して問題点を明らかにしたい。さらに,ある構造を持つと想定しうるデータを用いて,その構造が検出できるかを調べたい。これらの解析には,AICの適用やシミュレーションなどが有効であると考えられるが,統計数理研究所はこれらについての第一線の研究者を擁し,かつ計算機資源も豊富であることから,共同研究を行うことで多くの成果が期待できる。



 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大瀧 慈

広島大学

西田 信男

広島女子大学

橋本 哲男

統計数理研究所

増山 悦子

広島女子大学