平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−20

専門分類

1

研究課題名

非可換の情報幾何

フリガナ

代表者氏名

エグチ シントウ

江口 真透

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

情報幾何の非可換バージョンの建設.最近,フリーエントロピーに関連する研究が進んでいる.このような非可換確率論の上に情報幾何アプローチの展開を目的とする.


非可換のデータ解析は近い将来統計学の中心的課題となると予想される。このことを念頭に置き、この共同研究が開始された。
データを科学するためには、データの観測において「観測」という手段がデータに影響しないことが望ましい。しかし、観測によって対象の状態が変わるのなら、観測以前の状態を観測を通して知ることは原理的に不可能である。
例えば、選挙予測のためにあるアンケート調査を行ったと想定しよう。厳密に考えれば、この調査によって「選挙」という行為に付随する全ての要素が無影響であるとは考えにくい。
質問によって価値の判断基準の再考が促されるかもしれないし、サーベイの結果を知って支持政党、投票しようと思っていた候補者そのものが変更されるかもしれない。
このように、観測が行われるのが選挙以前か以後かによって、データの構造そのものが原理的に変わる問題の理論を本研究で目指す。
量子レベルから人間社会のレベルまで、個々の法則によって説明される現象について「非可換観測のバイアス」という観点から理論を構築したい。
本研究では研究のスタートラインとしてC*確率空間の基礎的研究を行った。半円分布の特徴付けが古典確率空間の正規分布の性質との類推から研究された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hiwatashi,O., T. Kuroda, M. Nagisa and H. Yoshida
The free analogue of noncentral chi-square distributions and symmetric quadratic forms in free random variables. Math. Z (予定)
Hiwatashi,O, M. Nagisa and H. Yoshida
The characterizations of a semicircle law by the certain freeness in a C*-probability space. preprint


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)半円則に基づく統計モデルを構築する.(2)状態推定と同時観測の問題について考察する.(3)フリー群上のモデルと社会科学への応用


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

内藤 貫太

島根大学

長岡 浩司

電気通信大学

渚 勝

千葉大学

吉沢 真太郎

総合研究大学院大学大学院

吉田 裕亮

お茶の水女子大学