平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2002

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

1

研究課題名

空間統計手法を用いたGOSATによるCO2気柱分子量導出精度の改善と全球気柱分子量分布図の作成

フリガナ

代表者氏名

トモサダ ミツヒロ

友定 充洋

ローマ字

Tomosada Mitsuhiro

所属機関

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構  統計数理研究所

所属部局

リスク解析戦略研究センター

職  名

特任研究員

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

温室効果ガス観測技術衛星GOSAT(和名いぶき)は、温室効果気体である二酸化炭素(CO2)と(CH4)の気柱量を導出することを目的として、2009年1月23日に打ち上げられた。導出した気柱量は、特に一般市民にも視覚的に理解しやすくするために、全球分布図として示すことが望まれる。しかし、GOSATは、陸上大気と海上大気における観測では単位面積当たりの観測頻度が異なり、また観測視野内に雲がある場合には観測が困難である。そのため、得られた気柱量は、不規則な観測位置のものとなる。そこで、不規則な観測位置で得られた気柱量から、全球分布図を作成する方法が必要となる。本研究では、空間統計手法Krigingを用いて、GOSATで観測されたスペクトルにより導出された気柱量から気柱量全球分布図の作成方法を確立することを目的とする。
2009年度は、初めに空間統計手法の一つである通常Krigingにより全球分布を予測することを試みた。CO2の吸収量および放出量が地表の土地被覆により異なることから、地表の土地被覆によってCO2濃度の空間構造が異なることが考えられる。そこで、地表面の土地被覆の違いを簡単に陸域と海域として識別し、CO2濃度の空間構造を既存の全球CO2濃度分布図を用いて調べ、陸上大気と海上大気のCO2濃度の空間構造が異なることを示した。続いて、土地被覆の違いによるCO2濃度の空間構造の違いを考慮して通常Krigingにより全球CO2濃度分布図を予測した。更に、CO2濃度が空間的に非定常性であるとして全球分布を予測する方法を、大規模データ(観測点数が1万点ほど)による予測が可能で、地表の土地被覆の違いによるCO2濃度の空間構造の違いを考慮して検討した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

2009年度では、以下の発表を行った。

Mitsuhiro Tomosada, Koji Kanefuji , Yukio Matsumoto, Hiroe Tsubaki
""A Prediction Method of the Global Distribution Map of CO2 Column Abundance Retrieved from GOSAT Observation Derived from Ordinary Kriging,""
ICROS-SICE International Joint Conference 2009, 4B12-3 (2009)

友定充洋 空間統計Krigingによる月平均全球気柱量分布図の作成、リモートセンシングシンポジウム、計測自動制御学会 計測部門 リモートセンシング部会、2009/11/05、日本大学文理学部

友定充洋、クリギングを用いた全球CO2気柱量分布図の作成、科研費研究会(代表 美添 泰人、公的統計の提供方法に関する理論的・実際的研究)、2009/11/09、青山学院大学

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金藤 浩司

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所

椿 広計

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所

松本 幸雄

社団法人 国際環境研究協会

宮本 道子

秋田県立大学