様式Ｃ

昭和63（1988）年度　共同研究実施報告書

課題番号	63－共研－1			専門分類		1
研究課題名	“データ解析の知識ベース構築”の基礎研究
フリガナ代表者氏名	シバタ　リテイ柴田　里程			ローマ字
所属機関	慶應義塾大学
所属部局	理工学部
職　　名	助教授
所在地
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	27　人

研究目的と成果（経過）の概要

データ解析を行なう際に必要な種々の背景情報をも含めた形でのデータ記述の形式化を研究する。
まず，人間，計算機，双方に理解しやすい形式を求めそれを仲立ちとして，両方向へのインターフェイスを構築することによって，円滑なデータとデータ記述の交換を保障し，知識ベース構築の基礎を固める。

今年度はＤ＆Ｄ（Ｄａｔａ＆Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ）ルールの確立に重点を置いた。
このルールは，昨年度より運用を始めた電子ジャーナルＥＪＤＡ実験システムのデータ部門投稿規定に相当するだけでなく，異なる計算機システム，解析ソフトウェア間での統計データ交換の共通形式となることを目指している。
実験データとしては，Ｃｏｘ＆Ｓｎｅｌｌ ‘ＡｐｐｌｉｅｄＳｔａｔｉｓｔｉｅｓ’Ａｎｄｒｅｗｓ＆Ｈｅｒｙｂｅｒｇ ‘Ｄａｔａ’に収録された１００近くのデータ，石黒真木夫氏の地球潮汐データなどをとりあげた。このような，標本調査，実験計画，時系列，点過程，寿命，分割表，・・などさまざまな側面をもつデータを過不足なくその記述とともに構造化するには，従来，軽視されてきた理論面の見直しも必要となった。
一年間の継続的な研究の結果，リスト構造を基本とする記述形式を確立できた。また，実験的な，データ解析言語Ｓシステムにこのように記述されたデータを取り込むプログラムを作成した。これはｙａｃｃ，ｌｅｘにより書かれた処理系であり，今後，さまざまなソフトウェアに対する，ｉｍｐｏｒｔ，ｅｘｐｏｒｔシステムを作ることが一つの課題である。
研究実施の形態は，各共同研究員の日常的な研究を基礎に，電子ジャーナルの通信網を利用した情報交換を基本とした。他に，次のような，公開，非公開の現介会を開いて，その時点までの研究の検討を行なった。
・１９８８年１０月２６日（於，大阪市大・文化交流センター）
参加者，代表者ほか約２５名
「スポーツ力学におけるデータ解析」宮地力
「重回帰分析支援システムの試作」中野純司
「地球潮汐データとその解析」石黒真木夫
「ＥＪＤＡにおけるデータ記述形式」柴田・渋谷
「Ｎｅｗｓ：テュートリアル」渋谷政昭
・１９８８年１２月２日（於，統数研）
参加者，田村，渋谷，柴田，丹後，刈谷，高橋
「Ｄ＆Ｄルールの詳細検討」

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

応用統計学会（４月）「実験データの記述と計算機による解析」渋谷，柴田，椿
日本統計学会年会（７月）「統計データとその属性記述の形式化の一提案」渋谷，柴田
科研究シンポジウム‘数理統計学と計算機の接点に関する研究’「ＮｅｗＥｎｖｉｒｏｍｅｎｔｆｏｒＳｔａｔｉｓｔｉｃａｌＴｅｓｔｉｎｇ」柴田他
第２回ＡＩ＆Ｓｔａｔｉｓｔｉｃｓシンポジウム（於Ｆｌｏｒｉｄａ）
「ＳｔｒｕｃｔｕｒｅｄＳｔａｔｉｓｔｉｃａｌＤａｔａＤｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎｂｙＳｈｉｂａｔａ，Ｓｉｂｕｙａ

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昭和６２年度の共同研究〔６２－共研－６〕において，基本的な問題点の検討を行ない，また具体的な知識集約手段である電子ジャーナルＥＪＤＡ実験システムの運用を始めた。
今年度は，これを基に，具体的にデータ部門，解析部門，ソフトウェア部門の充実を計る。
研究形態としては，実験システム（ＶＡＸｓｔａｔｉｏｎ）を日常的な意志疎通媒体として用いるだけでなく，研究会を定期的に開いて，討議を重ねることにより，理論，実際にまたがる諸問題の解決を計る。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
荒畑　恵美子	統計数理研究所
石黒　真木夫	統計数理研究所
宇田川　拓雄	北海道教育大学
打浪　清一	九州工業大学
大隅　昇	統計数理研究所
大瀧　慈	広島大学
鎌倉　稔成	中央大学
刈谷　丈治	山口大学
北川　源四郎	統計数理研究所
栗木　哲	統計数理研究所
小林　正人	横浜国立大学
小林　康幸	島根大学
駒澤　勉	統計数理研究所
渋谷　政昭	高千穂商科大学
神保　雅一	岐阜大学
高橋　一	一橋大学
竹村　彰通	東京大学
田辺　國士	統計数理研究所
田村　義保	統計数理研究所
垂水　共之	岡山大学
丹後　俊郎	国立公衆衛生院
椿　広計	筑波大学
中野　純司	統計数理研究所
仁木　直人	東京理科大学
間瀬　茂	東京工業大学
三浦　良造	一橋大学