平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−67

専門分類

7

研究課題名

妊婦と女子大生の食嗜好の比較

フリガナ

代表者氏名

トヨセ エミコ

豊瀬 恵美子

ローマ字

所属機関

帝京短期大学

所属部局

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

経済的に豊かになった我が国の食事は多様化されて来た。この様な環境の中で営む我々の食生活は嗜好中心になりがちである。人間の食嗜好は11・12才位までに形成されると言われる。(所謂おふくろの味)乳幼児の嗜好形成に関与する母親と母親に成る前の妊婦又は妊婦の予備軍である女子大性、この両者の比較によりこれからの世代を担うべき乳幼児が成人病にならない様な食事の在り方を検討することとした。


はじめに:栄養指導時に対象者からの情報を把握する場合、通常は栄養摂取状況調査が多いが、比較的簡単に得られる情報に食嗜好度がある。食嗜好度の場合、好きな食品、料理については問題ないが、嫌いな食品・料理については、何らかの方法で食べさせる様に指導しなければならない。特に妊婦は生まれてくる赤ちゃんのためにも、好き嫌いなく何でも食べることが望ましい。そこで妊婦の嗜好度を林の数量化3類によりグループ分けし嫌いな食品・料理についての問題点を検討した。
方法:対象者は都下某病院と川崎市某病院の外来栄養指導受講者である。人数は217人と53人の計270人で、平均年齢は28.1±3.9才、家族数2.6±1.0であった。調査項目は114食品・料理を3カテゴリーによって嗜好度と標準偏差を算出した。このなかで標準偏差の大きいもの25食品・料理を3カテゴリー(好き、普通、嫌い)と2カテゴリー(嫌いとそうでないもの)による林の数量化3類による解析を行った。
結果:標準偏差の値が高い食品・料理及びその嗜好度を表1に示した。これから見るとレバー料理は最も好まれていないこと、牛乳は好きな人も多いが、嫌いな人も多いといえる。
3カテゴリーで見るとX軸は好き・嫌いの軸とおもわれる。散布図では、はっきりと好き、普通、嫌いに分かれた。又、嫌いとそうで無いもの(好き 普通)の2グループによる数量化3類では、レバー料理といくら丼・ビビンバ・魚甘露煮・レアチーズケーキ・饅頭・牛乳葛餅・葛切り、その他の3グループに分かれた。(好きと普通)
嫌いは分散していて、はっきりとしたことは言えないが、あえて言えば食体験によってY軸の+の象限から−の象限にちらばっていると考えられる。
まとめ:妊婦の嗜好度で分散の大きいもの25食品・料理を林の数量化3類により解析し以下の様にまとめた。1)3カテゴリーによる数量化3類の散布図をみると、好みの違い、即ち好き、普通、嫌いの3グループに分かれた。2)2カテゴリーによる散布図も嫌いと、そうでない(好きと普通)ものに分けられた。3)X軸は、好き、嫌いの軸と考えられる。4)レバー料理いずれの場合も特異な嗜好と言える。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

帝京短期大学紀要(豊瀬恵美子,妊婦の食嗜好と食物摂取との関連,帝京短期大学紀要,1993.12 予)

妊婦の食嗜好度と栄養指導のあり方(日本栄養改善学会,1992,10,22 )

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

食生活状況調査を行った場合、その評価に客観性を持たせなければならない。その為には統計の手法が必要である。我々栄養士は食事指導にはその専門性が発揮出来るが、調査の解析に関する統計処理については未熟である。これまで田村義保助教授は未熟な私に対し快く御指導下さったので、もう少し実力をつけるまで御指導を仰ぎたい所存である。食生活について比較的簡単に調査出来る食嗜好調査の解析法を検討する事により、新しい食情報の把握法をあみだしたいと希望している。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

田村 義保

統計数理研究所