平成292017)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

29−共研−2026

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

6

研究課題名

工学系大学生の英語論文読解を促進/阻害する要因の解明

フリガナ

代表者氏名

イシカワ ユカ

石川 有香

ローマ字

Ishikawa Yuka

所属機関

名古屋工業大学

所属部局

工学研究科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

83千円

研究参加者数

6 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

【研究目的】
本研究では、工学系大学生の英語論文読解能力の育成を目的として、論文に頻出する重要な英語語彙・英語表現の抽出と、それらの効果的指導方法の解明を目指す。具体的には、英単語学習に関するアンケート調査によって収集した学習者の情報と、英単語力との関係を分析するとともに、日本語ESPコーパス分析・英語ESPコーパス分析から得た頻度情報を分析して、どのような学習者にとって、どのような項目の学習が困難であるのかを明らかにする。また、日本語との差異が大きいとされる、代名詞とモダリティの使用に焦点をあてて、英語論文コーパスを分析する。

【研究概要】
 本研究では、工学系大学生のL2学習を研究対象とする研究者がそれぞれ研究課題を設定し、英語論文読解指導の観点から、大学生の学習を促進/阻害する要因の解明を試みた。なお、研究実施においては、1)アンケート解析のための統計手法の研究と、2)コーパス分析のための統計手法の研究を分けて行ったが、課題遂行のために、意見交換を行いながら実施した。
 1)近年、外国語教育研究においては、個別の学習者特性に注目をして、学習過程を明らかにしようとする調査が広く行われており,どのような学習者が学習に成功しているのか、学習を成功に導く要因もしくは阻害する要因は何かということについて、研究がなされている。しかしながら、学習者の年齢・ジェンダー・専門・経験や、動機づけ、言語観、学習方略などに関するアンケート調査の結果を分析する際に使用されている統計的手法については、その妥当性の検証が十分に行われてきたとは言い難い。本研究では,こうした統計手法について研究を行い,実際に,統計手法を用いて,資料を分析することで,学習者のジェンダー・専門・学習レベルと動機づけの関係,学習者が困難を感じる要因と言語内要素の関係を明らかにすることを試みた。
 2)また,専門分野別に英語論文コーパスを構築し,工学の専門分野によって,主語表示に違いがあるかどうか,あるとすればどのような使い方をしているのか,どれにはどういった要因が関わっていると考えられるのかを,量的質的分析によって明らかにすることを試みた。さらに,工学系分野と人文系分野での主語表示についても,分析をはじめており,専門分野における主語意識を明らかにしようとしている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

共同研究リポート 29-共研-2026 「工学系大学生の英語論文読解を促進/阻害する要因の解明」(2018,3月)『工学系 ESP 教育における量的アプローチ』
浅井 淳・松岡 真由子:「英語学習目的による学習に関する自己認識・調整の傾向」
浅井 淳・松岡 真由子:「自己調整学習意識から見る英語読解方略」
石川 有香:「工学系大学生の工学英語語彙学習方略の使用調査?因子分析による共通因子の抽出?」
川口 恵子・伊東 田恵:「工学系学術論文における第1人称代名詞の使用?分野差の視点より?」

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

□統計数理研究所共同研究言語グループ 
2017年度言語研究と統計 夏季研究会 (非公開)
日時:2017年9月4日(月)〜5日(火)
会場:大阪大学大学院言語文化研究科(豊中キャンパス)A棟2階大会議室
参加者:約30名

■公開セミナーシリーズ 「言語研究と統計(Langstat)」
統計数理研究所公募型共同利用制度のもと,同研究所の前田忠彦准教授のご指導を受けている言語系研究者による合同セミナーである。
■「言語研究と統計2018」(セミナーシリーズ Vol.13)
統計数理研究所言語系共同研究グループ合同発表会 言語研究と統計2018
●日時:2018年3月29日(木) 10:30〜18:10/30日(金) 10:00〜12:50 
●会場:統計数理研究所(東京都立川市緑町 10-3)
●オーガナイザー 長加奈子(福岡大学),指導講話 前田忠彦(統計数理研究所)
●参加者数:約120名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

浅井 淳

大同大学

伊東 田恵

豊田工業大学

川口 恵子

芝浦工業大学

謝 子茜

名古屋工業大学

前田 忠彦

統計数理研究所