平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2063

専門分類

9

研究課題名

環境資源評価法のバイアス問題に関する研究

フリガナ

代表者氏名

テイ ヤクグン

鄭 躍軍

ローマ字

ZHENG Yuejun

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年、環境資源を公共財として統計的に評価することによってその価値を与える方法は幅
広く使われている。その中で選好依存型の仮想評価法(CVM)とコンジョイント分析(CJA)が重
要な手法として最も注目を集めている。しかし、これらの環境評価法にとっては人々がもつ
真のWTPあるいはWTAをいかに正確に聞き出すかということは肝要となっている。したがっ
て、環境資源評価法の信頼性と妥当性を抜本的に高めるためには、環境資源評価法のバイア
ス問題について理論的・実証的に研究し、評価バイアス発生の原因を統計的に究明し、その
回避策を模索することが不可欠である。さらに信頼性のもつ推定結果を得るために、環境資
源評価法の操作マニュアルを統計的に開発する必要がある。
 平成13年度の共同利用研究では、環境資源の変化に対して人々のWTPあるいはWTAの評
価バイアスを最小化するための標本抽出法や調査設計、調査方法などに関する理論をさらに
慎重に模索してきたと同時に、WTPやWTAを推定する方法論的研究をも展開してきた。
 今年度の共同利用研究では、これまでの環境資源評価理論のフレームワークと実証的調査評
価についての研究成果を踏まえ、WTPまたはWTAを推定する統計モデルの開発及びバイアス問
題の研究を試みた。
 今年度には、理論的と実証的側面から環境評価法におけるバイアスの発生原因とその解決
策を取りまとめ、環境資源評価操作マニュアルを取りまとめた。具体的には今年度の研究内
容としては
1.これまでの評価バイアス問題に関する方法論の研究成果の取りまとめ
2.実証的な調査に基づき、評価バイアスと標本調査設計との関連の特定
3.仮想評価法とコンジョイント分析の信頼性を比較するための実験調査の準備
4.調査質問の作成、サンプル個人の抽出、実験調査の実施
5.調査データの解析、結果の比較と評価バイアスの検討
6.環境資源評価法の理論的フレームワークのまとめ
を実施した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.鄭 躍軍(2002):中国・日本における国民の環境意識に関する研究,環境経済・政策学会
2002年大会報告要旨集,72-73。
2.鄭 躍軍(2003):環境意識調査の計測方法による非標本誤差?仮想評価法(CVM)の支払手
段バイアスを例として?。日本行動計量学,Vol.30(1)(印刷中)。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

白石 則彦

東京大学

廣嶋 卓也

東京大学

箕輪 光博

東京大学

村上 征勝

統計数理研究所