平成152003)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

15−共研−5

専門分類

3

研究課題名

カオス時系列におけるフラクタル次元の推定

フリガナ

代表者氏名

カワグチ アツシ

川口 淳

ローマ字

Kawaguchi Atsushi

所属機関

九州大学

所属部局

大学院数理学府

職  名

博士課程

所在地

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研究目的と成果の概要

カオス的現象のフラクタル次元を測る尺度としてGrassberger and
Procaccia(1983)によって提案された相関次元がある。その相関次元の推
定法にはJudd(1992)らが指摘するような不安定さがある。相関次元の推
定法の開発と応用を目的として研究を行った。
次のような研究成果が得られた。
Grassberger and Procaccia の推定法(G-P法)は2次元プロットに直線
をあてはめ,その傾きを相関次元推定量とするという考えである。G-P法
を発展させ、U-統計量を用いた新しい推定量を提案した。その安定性を
シミュレーションで示した。
提案した推定量を地磁気データからオーロラの発生を判別する問題へ応
用した。地磁気データから相関次元推定値を求めると、推定値がオーロラ
現象の発生と対応する時点で急落するという知見を得た。この知見を利用
して、ある時間帯にオーロラ現象が発生したのか否かの判別を行うことが
出来ることに着眼した。実際にデータに適用して、開発した手法の有効性
を示した。