平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−107

専門分類

8

研究課題名

言語の文法構造のデータの統計解析

フリガナ

代表者氏名

ウエダ スミエ

上田 澄江

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

言語を語順によって分類したとき,「名詞と側置詞」と「数詞と名詞」の語順が重要な要素となっている.2パラメータによる語順規則のモデルを提案し,語順表の130言語を世界の言語のサンプルと見なしたときに現語順が定常状態にあることを示し,今後変化していくとすればどのような過程を辿りうるのかを考察する.


語順規則からながめると世界の130言語は概ね2つのタイプに分類できる.一方は日本語に近い語順をもつ言語で,韓国語,ベンガル語などがある.他方は日本語と逆の語順を示すもので,タイ語,英語などがある.
この分類は,「名詞と側置詞」の順序によってよく説明される.語順規則の19項目の中の「名詞と側置詞」と相関の高い8項目について考え,日本語と同じなら+1,逆ならば-1を与えて総和をとると,130言語の度数分布は2つの山型になり2つのタイプが顕著にあらわれる.この現象を説明する確率モデルを考え,各項目が独立にではなく相互に影響しながら変化していくという,多数決モデルを提案した.
また,オーストラリアの言語の文法的な特異性を統計的に検証した.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Tsunoda,T.,Expression of possession in Warungu of Australia,In Tooru Hayasi
and Peri Bhaskararao(eds.),Studies in possessive expressions,11-115,
Tokyo: Institute for the Study of Languages and Cultures of Asia and Africa,
Tokyo University of Foreign Studies,1997.9.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究内容,個々の言語の語順の統計的な変化を考察する.130言語の語順表と異なる語順をもつ言語について調べる.計算機によるシミュレーションをおこなう.共同研究の必要性,言語学的な立場からみて語順表の数値化の再検討をおこなう.統計的分析結果が言語学的な立場から説明されうるのかを考察する.フィールドワークによって得られたデータを統計分析に取り入れる.


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊藤 栄明

統計数理研究所

角田 太作

東京大学