平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−21

専門分類

2

研究課題名

統計処理計算の並列処理の研究

フリガナ

代表者氏名

シラカワ トモノリ

白川 友紀

ローマ字

所属機関

筑波大学

所属部局

構造工学系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電子計算機の高速化への要求に伴い、並列計算機の実用化が進められている。計算機の応用の多くの部分をしめる統計処理もこれに対応して並列処理化する時期が遠からずやって来ると思われる。本研究では統計処理プログラムのいくつかを実際に並列化してみて、高速化と処理効率を調べる。


情報化社会が進展するにしたがって多量のデータが短時間で収集されるようになり、それにともなってデータの処理も高速化が必要となってきている。特に探索的データ解析においては解析を行なう者の思考の流れに沿った高速の処理ができることが望ましい。最近、特に大量の計算を必要とする分野では処理を高速に行なうため並列計算機が用いられるようになってきているが、本研究では、統計処理が並列計算機によりどの程度に速度向上できるのかを次の様にして調べた。
(1)2次元隣接のプロセッサ間結合、放送バス、バリア同期機構を持つ並列計算機QCDPAX上で動作する、基本統計量の計算、重回帰分析、主成分分析の並列処理プログラムを開発した。
(2)作成した並列処理プログラムからその並列処理のスケーリング則の一般式を求めた。
(3)乱数データを用いて、サンプル数、変量数をいろいろに変えて並列処理を行ない、その実行時間を測定した。
(4)測定した実行時間から(2)で求めたスケーリング則の係数を定めた。
(5)(4)で得られた式から、各々の処理における並列処理の効果を検討した。
その結果、(1)基本統計量の計算は特にサンプル数が少ない場合を除いて高い並列処理効率が得られること、(2)重回帰分析では変量数、サンプル数共に大きい方が並列処理効率が高いが、主成分分析では変量数が大きいと並列処理効率が下がること、などが分かった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

筑波大学では10年以上にわたって並列計算機の研究を行なって来ており、現在いくつかの筑波大で設計した並列計算機が稼働している。この計算機に統計処理プログラムを乗せて実行速度を計り、並列処理の効率向上や並列アルゴリズムの改良を行なう。
統計処理の従来の逐次処理の方法やいろいろなユーザーインタフェースを並列処理をする時に生かして行くため、統計数理研究所の共同研究が必要である。一部のルーチンのみを並列処理するのではなく、並列計算機にある統計処理プログラムを実際にユーザーが使いやすいものにしてゆくことをめざす。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 覚

筑波大学大学院

下平 文彦

筑波大学大学院

田村 義保

統計数理研究所