平成22（2010）年度　一般研究２実施報告書

 

課題番号

22−共研−2041

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

6

研究課題名

BNCにおけるジャンル、レジスター間の英語文法構造の特徴付け

フリガナ

代表者氏名

タカハシ　カオル

高橋　薫

ローマ字

Kaoru Takahashi

所属機関

豊田工業高等専門学校

所属部局

一般学科

職　　名

教授

配分経費

研究費

0千円

旅　費

0千円

研究参加者数

3　人

 

 

研究目的と成果（経過）の概要

　長年ご指導いただいた分析手法を用いた研究成果についてはこれまで国内外から一定の評価を得る事ができた。平成22年度で一旦ご指導を離れ、現在設定するテーマに関する数値データを解析する段階になってから、再度ご指導を仰ぎたいと考える。よって、この紙面では、これまでの本研究と関わりのある成果についてまとめる。
　筆者は、1994年奨励研究（Ａ）「英語コーパスのパソコンによる文章解析」2001?2003年度基盤Ｃ「応用言語学的視点による英語コーパスのテキストジャンルに関する類型論の再考」、2009?2011年度基盤Ｃ「文法概念をイメージで想起する手法で場面に応じた英文産出を支援するという試み」にて研究費を得た。また、英語コーパスによる研究では、1996年に在外研究員としてマンチェスター理工科大学に在籍してM.Philを取得、後にランカスター大学にてPh.D Part-time学生として在籍して、博士号を取得した。その間、国内外での論文掲載、発表などをおこない、Oxford大学出版のジャーナルの掲載論文では、The British National Corpusの社会言語学的な指標である社会階層について、その指標の有効性について実証的な研究を行った。すなわち、４つの社会階層により区分された文章を文法範疇標示の頻度について多変量統計解析を行った結果、現れた尺度が、階層順に文章を配置することが実証された。これにより、特徴的な語彙が同尺度上で配置され、その語句がどの社会階層でより多く使用される傾向にあるかを相対的に観察することができた。最近では、ドイツに拠点を置く学会、Empirical Text and Culture Researchに論文掲載し、ここでは年齢と性差の２次元で仮想サブコーポラを構築して、文法範疇標示の出現頻度について同様の多変量統計解析法を用いて分析した。その結果、言語学的には、vernacular vs. prestigious と解釈されるスタイルが現れた。これにより、各コーポラがどのような文法的な特徴を持つかが判明して、語彙レベルでの特徴語を抽出することができた。現在の研究は文法構造の特徴付けを中心とした研究に移行しているが、近い将来有益なデータが揃い次第、解析手法について検討したいと考える。

 

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

・ A study of Text Types in the British National Corpus {Kaoru Takahashi, CLARITAS Vol 19 (2005)}
・ Typology of Registers in the British National Corpus: Multi-Feature and Multi-Dimensional Analyses -- {Kaoru Takahashi, Ph.D thesis, Department of Linguistics and Modern English Language Lancaster University (2006)}
・ An attempt to employ diagrammatic illustrations in teaching English grammar to intermediate students {Kaoru Takahashi, Journal of Toyota National College of Technology pp.183-192 (2008)}
・ On the Concept of Habitual Style in the BNC English Philology and Corpus Studies. {Kaoru Takahashi, A festschrift in Honour of Mitsunori Imai to Celebrate His Seventieth Birthday. pp.243-258 (2009)}
・ A study of sociolinguistic variables in the British National Corpus Kaoru Takahashi, Empirical Text and Culture Research 4 pp.119-134 (2010)}
報告書
・ 統計数理研究所共同研究リポート162英語コーパスにおけるテクスト類型論 ?多変量統計解析法による?
・ 平成13年度〜平成15年度科学研究費補助金（基盤研究 ( C )( 1 )）研究成果報告書）
　　応用言語学的視点による英語コーパスのテキストジャンルの再考
・ 平成20年度〜平成22年度科学研究費補助金（基盤研究 ( C )( 1 )）研究成果報告書の一部
を兼ねる）　絵解き英文法?文法概念をイメージで想起する手法で場面に応じた英文産出を支援するという試みー
学会発表
A study of Text Types in the British National Corpus　 高橋　薫 愛知教育大学英語英文学会第１２回研究発表会 2005年9月
Stylistic characterization of register categories in the spoken part of the BNC TAKAHSHI, Kaoru PALA 2007 (Osaka, Japan) 2007年8月
BNCの話し言葉を分析して与えられるスタイルの解釈について 高橋　薫 英語コーパス学会東支部第２回講演会 2007年10月
BNCサブコーパスの統語構造上の特徴分析 高橋　薫、白井翔悟 英語コーパス学会第34回大会 2009年12月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

神谷　昌明

豊田工業高等専門学校

吉野　諒三

統計数理研究所