平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−87

専門分類

7

研究課題名

相対エントロピーによるデータ解析

フリガナ

代表者氏名

エグチ シントウ

江口 真透

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

データ解析の中心的道具は最小2乗法で長い歴史を持つ.最近,Euclid距離に代わる相対エントロピーによる方法が提案されている.本研究は理論と応用の両面からこの方法について研究する.


ある現象が方程式で記述されたとしよう。例えば、時間に関する常微分方程式によってモデル化し、現実の現象が離散時間で観測されたという設定を考える。この設定において方程式に付随するパラメータをデータからフィッティングすることを目的とする。
C. F. Gaussが水星の月に関する運動方程式を立て、天体観測から近日点を求めるために最小2乗法(LSE)を提案し、現在までおよそ2世紀の歴史の中で数多くの適用が行われた。
本研究は有界な正値をとるデータに関して最小相対エントロピー(MRE)を提案し、その性能をいろいろな角度から考察、比較した。相対エントロピーは特に時間に支配されたほぼ閉じたシステム内で生起される現象に関するデータからの推定法として有能であることが示された。
例えば体内の薬物代謝の動態、生物成長のプロセス、森林の変遷、集団生物のサイズなどのデータの解析に有用である。
森林減少の微分方程式モデルに対して、ランドサットデータをMREによって解析した。テストケースとして、タイの森林のデータについて焼畑などの農業活動との相互作用について森林の破壊過程における時間的空間的拡散が推定された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Tanaka,Shojiro,Nishii,Ryuuei and Eguchi,Shinto
Analysis of deforestation by spatial model with human population interactions.
Florence in Symposium #5,1998,7(予定)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)薬物動態解析に応用する (2)ヒト成長モデルの解析に適用する (3)森林減少と人工密度の相関分析に適用する (4)一般化最小2乗法の非均一分散関数への方法に対抗するバージョンを提案する


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

網崎 孝志

島根大学

金藤 浩司

統計数理研究所

今野 泰宏

東京大学大学院

田中 章司郎

島根大学

西井 龍映

広島大学

原 優子

ウォリック大学