平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2046

専門分類

8

研究課題名

宮城県縄文貝塚の時期別モデルの作成

フリガナ

代表者氏名

ウエキ タケシ

植木 武

ローマ字

Ueki, Takeshi

所属機関

共立女子短期大学

所属部局

生活科学科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

45千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 宮城県の縄文貝塚(234ヵ所)の全期の各項目ごとの集計を行った。それぞれの数値は各項目の頻度ではなく、その項目を出土した貝塚数である。各項目とは、町・市を単位とする所在地、土器型式、時期、遺構、貝類、土製品、石製品、骨角器、魚類、鳥類、哺乳類である。所在地で貝塚が多いのは、鳴瀬町、松島町、七ヶ浜町で、土器型式で頻度が多いのは大洞A式、大洞C2、南鏡式で、遺構では土壙墓、竪穴住居、製塩炉、炉跡が多かった。出土品度の高い貝は、アサリ、マガキ、ハマグリ、レイシ類、シオフキで、土製品では土偶、耳飾り、土錘で、石製品では石鏃、石匙、石斧、石棒が多かった。骨角器で発見が多かったのはやす、釣針、もり、針状製品で、魚類で出土が多かったのは、スズキ、マグロ、サメ類、イワシ類で、鳥類ではカモ類、キジ類、ウ類、ガンで、哺乳類ではシカ、イノシシ、ヒト、イヌであった。各項目の頻度の高いものをまとめて、標準モデルと典型モデルを作成した。
 各期(早・前・中・後・晩)の単期遺跡の集計をとると、残念ながら遺跡数が極端に限られることから意味ある結果を得られなかった。千葉県の551貝塚遺跡でさえ、各単期遺跡の集計はひどいものになったので、その半分しかない宮城県の場合、この結果は予測していた通りであった。

 いよいよ、来年度は千葉県と宮城県の比較研究をしたいと思う。特に、ここでは自然環境を基とする生態環境の比較をしたいので、貝類や魚類の比較になる。両県の標準モデルと典型モデルの貝類や魚類の比較になるが、マクロレヴェルの対比ができる。この種の研究は、考古学領域では初めてのものとなる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

植木武・吉野諒三・村上征勝
2006 「宮城県の縄文貝塚?全期一括集計?」日本情報考古学会講演論文集
(22回大会)vol.2, pp.57-62.

2007 「宮城県の縄文貝塚?各期一括集計?」日本情報考古学会講演論文集
   (23回大会)vol.3, pp.93-98.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

吉野 諒三

統計数理研究所