平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2049

専門分類

9

研究課題名

点過程モデルと分子遺伝マーカーによる天然林施業の検討

フリガナ

代表者氏名

シマタニ ケンイチロウ

島谷 健一郎

ローマ字

Shimatani Kenichiro              

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では,伐採後に天然更新で再生しつつある2次林の,その更新メカニズムをフィールド調
査,遺伝マーカー並びに点過程モデルによって検討している。
2003年
4-5月
数回にわたり,現地視察,プロット設定,立木測量
6月
遺伝子分析のためのサンプル採取並びに測量補足
7-8月
アイソザイム遺伝子分析
9月
データ解析(exploratory analysis)
10-11月
立木測量補足,フィールドデータ確認
12-3月
データ解析,モデリング,遺伝子及びフィールドデータ確認
3月
本調査地のモデル化に必要な理論的枠組みのひとつを論文として投稿
 本調査地では,特定の成木を母樹として保残し他を皆伐する母樹保残皆伐方式が行なわれてお
り,保残母樹は種子供給源(及び伐採による急激な変化からの環境保護)として森林再生に寄与する
事が期待されている。しかし本研究で分析した遺伝子データから,保残母樹以外を親とする稚幼樹,
保残母樹の真下にいるがその大木が種子親ではあり得ない稚幼樹,その保残母樹が種子供給源とし
て機能していた時にきたされる対立遺伝子頻度と実測頻度の著しい差,等々が発見された。さらに,
単純に保残木の周囲に種子が散布・発芽・成長して進められた事象を点過程でモデル化すると,モ
デル内パラメータを最適化しても現実のデータとほど遠い解しか得られなかった。従って,更新は
このような単純なメカニズムではなく,何らかの別な機構が働いている事が示唆されている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Shimatani,Kenichiro
Different gene flow and reproductive mechanisms may involve similar fine-scale spatial genetic structures.
Research Memorandum 908.04/17/2004.The Institute of Statistical Mathematics.
正木隆、杉田久志、長池卓男、金指達郎、太田敬之、櫃間 岳、酒井暁子、新井伸昌、
市栄智明、上迫正人、神林友広、畑田 彩、松井 淳、沢田信一、中静 透(2003)東北
地方のブナ林天然更新施業地の現状 ?二つの事例と生態プロセス?。日本林学会誌
86:259-264。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金指 達郎

独立行政法人 森林総合研究所東北支所

北村 系子

独立行政法人 森林総合研究所

北本 尚子

筑波大学

杉田 久志

独立行政法人 森林総合研究所東北支所