平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−61

専門分類

7

研究課題名

肥満の生活習慣に関する研究

フリガナ

代表者氏名

トヨカワ ヒロユキ

豊川 裕之

ローマ字

所属機関

東邦大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

成人病と肥満との関連を検討していく上で,生活習慣が肥満に及ぼす影響を検討する必要が生じた。
本研究は,この様な前提に立って肥満の生活習慣に関する要因を明らかにすることを目的としている。


成人病の発症要因の一つに数えられている肥満は,日本を始めとする先進国共通の問題である。肥満が摂取された熱量が消費する熱量を上回ることによって生じていることは,疑う余地もないが,これらの問題は日常生活に起因する部分が多く,単純に摂取量や運動量だけで解決できる問題ではない。本研究では,肥満と生活習慣,特に健康行動との関連を明らかにすることを目的とし,これらの関連を多次元的に検討した。
対象として用いた客体は,長野県上伊那郡長谷村に居住する主婦55名(27〜75歳,平均年齢54.3歳)である。また用いた資料は,この対象に対して行った皮下脂書厚調査,食物摂取状況調査,生活習慣調査結果の各資料である。皮下脂肪厚については,Aモード式超音波皮脂厚計を用いて身体各部(8部位)測定した。食物摂取状況調査は3日間の自記式秤量留め置き法により行い,厚生省国民栄養調査に準じて23の食品群に類別し,そのうち代表的な11食品群について摂取量の多寡により3群に分類した。生活習慣については,動脈硬化疫学研究所により作成された健康生活質問票を用いて,対象者本人に記載させた。尚,分析にはストレスおよび食習慣に関した項目をそれぞれ12および7項目を選択した。
分析には食品群別摂取量および生活習慣についての回答を用いて数量化III類を行い,得られた数量化得点と皮下脂肪厚の関連を検討した。
結果として,以下のことを得た。
1)健康行動に乱れについての項目およびストレスが強い項目と間食,嗜好飲料の摂取量の多い項目と間に強い関連が見られた。
2)皮下脂肪厚の厚い群ほど健康行動に乱れが生じており,両者の間に何らかの関連が予想された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

○高柳満喜子,西川浩昭,城川美佳,田沼博,鈴木賢二,中谷弥栄子,豊川裕之,中島順一:一山村婦人の食物摂取状況と健康および健康に対する意識
第55回日本民族衛生学会,宇都宮,1990,11


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

肥満の指標として,Aモード式超音波皮脂厚計を用いて測定した身体各部の皮下脂肪厚値を用いる。
調査対象としては,首都圏居住者および,長野県上伊那郡長谷村に居住する中高年者を用い,他の個人的な臨床データや生活習慣データ等との関連を検討する。
統計的処理に関しては,変量が多数であり,その関係は複雑で,肥満と生活習慣との関連を明らかにするためには,交絡要因の影響を排除する,高度の分析手法が必要とされる。それ故,本研究では,統計数理研究所スタッフの協力なくしては不可能である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

城川 美佳

東邦大学

駒澤 勉

統計数理研究所

高柳 満喜子

東邦大学

西川 浩昭

筑波大学