平成252013)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

25−共研−4210

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

7

研究課題名

リスク評価モデルとリスク尺度の研究

重点テーマ

ファイナンスリスクのモデリングと制御

フリガナ

代表者氏名

ツダ ヒロシ

津田 博史

ローマ字

Tsuda Hiroshi

所属機関

同志社大学

所属部局

理工学部数理システム学科

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

93千円

研究参加者数

5 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は、地方公共団体が財政上必要とする資金を調達するために発行した地方債の価格評価モデルを推定し、そのモデルを通じて各地方公共団体の信用リスクを推定することが目的である。従来の地方自治体の財政破綻リスク、すなわち、信用リスク評価手法は、地方の財政状態に基づき、定量的に評価したスコアリングモデルを用いて財政破綻の可能性、信用リスクを評価する方法が主であった。また、これまでの方法では、破綻するかしないかの可能性に関する情報に限定されていた。それに対して、我々は、津田(2002、2006)により提案された社債価格評価モデルのコンセプトに準拠した方法を提案した。この方法は地方自治体が発行する地方債の価格評価モデルを推定し、デフォルト(財政破綻)確率だけでなく、その期間構造を推定することも可能である。
さらに、地方債を発行していない地方自治体、または地方債の発行銘柄数が少ないために、地方債価格モデルを推定する際に分析対象から外れた地方自治体の信用リスクを財務データに基づく新たなモデルにより推定することを試みた。そのモデルは、上記の方法で推定した地方自治体のデフォルト確率を目的変数とし、地方自治体の財政指標を説明変数にしたロジットモデルである。ロジットモデルを用いて分析対象から外れた地方自治体の信用リスクを推定した。このロジットモデルにより、より多くの都道府県に関する信用リスク評価が可能となった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

国際学会発表
Hiroshi Tsuda* (Doshisha University)
Ando Masakazu (Chiba Institute of Technology)
Credit Risk Evaluation of Investment Corporation Bonds
2013 IEEE 6th International Workshop on
Computational Intelligence and Applications
7月13日 広島市立大学

学会発表
渡邉中穂美(同志社大学),津田博史(同志社大学)
「地方債価格モデルによる地方自治体の信用リスク評価について」
2013 IEEE SMC Hiroshima Chapter 若手研究会
7月13日 広島市立大学

学会発表
渡邉中穂美(同志社大学),津田博史(同志社大学)
日本の地方自治体の信用リスク評価
2013年度統計関連学会連合大会
2013年9月10日 大阪大学

統計数理研究所リスク解析戦略センター
第2回 金融シンポジウム
津田博史(同志社大学)
「地方自治体の信用リスク評価」
11月6日
学術総合センター 中会議場(2F)東京

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究打ち合わせ 2014年3月15日(土曜日)政策科学プロジェクトの今後について統計数理研究所 参加者 3名 

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

安藤雅和

千葉工業大学

佐藤 整尚

統計数理研究所

山下 智志

統計数理研究所