平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−72

専門分類

7

研究課題名

循環器疾患のリスク要因解明のための長期追跡研究−研究デザインの検討−

フリガナ

代表者氏名

サトウ トシヤ

佐藤 俊哉

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

我々は三重大学医学部第一内科と共同して、三重県度会郡南勢町において循環器疾患のリスク要因を調べる長期追跡研究を実施する。約4000名の対象者を長期間追跡しなければならないので、効率のよい研究デザインを検討する必要がある。本研究では、新しい疫学研究のデザインをこの研究に応用することを検討する。


三重県度会郡南勢町において、循環器疾患のリスク要因を調べるための長期追跡研究を実施するにあたり、本研究では主として研究デザインに関する検討を行った。文献レビューの結果、我々の共同研究には新しい疫学研究のデザインである「ネステッド・ケース・コントロール研究」を用いることが最も適切であると結論し、ネステッド・ケース・コントロール研究を行うことを前提とした研究計画を立案した。
ネステッド・ケース・コントロール研究は現在アメリカで進行中の大規模疫学研究であるAtherosclerosis Risk in Communities Studyでも採用されており、研究コストの低減に有効なデザインである。このデザインにしたがって、全対象者の血清サンプルを−80℃で凍結保存し、将来循環器疾患が発生した場合にその患者の血清サンプルと数例のコントロールの血清サンプルを解凍し、さまざまな血清化学的要因を比較して、循環器疾患発生のリスク要因を調べることが可能である。
また、8月には南勢町立病院が行っている住民健診に参加して、質問紙による生活習慣調査、血液サンプルの採取、問診などの実施状況を調べてきた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

佐藤俊哉,コホート研究のための計画?最近の発展?,日本計量生物学会,1993年4月23日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

現在のところ研究デザインとしてコホート研究を実施しながらケース・コントロールを行うというNested Case−Controlデザインを彩る予定である。Nested Case−Controlにより、全対象者を観察する場合に比べて、相対リスクの推定効率をそれほど落とさずに、研究全体のコストが減少できることを期待している。
また、新たな研究デザイン、それにもとづいた解析方法を提案することも考えられる。このような研究デザインが実施可能であるかどうかを調べるために、8月には対象地域で行っている老人健診に参加し現地の状況を調査すると同時に、現在予定している老人健診と並行して質問紙調査、血液の採取などさまざまな調査を行うことが可能かどうか調べる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

垣本 斉

三重県度会郡南勢町立病院

国吉 幹夫

三重県度会郡南勢町立病院

高木 廣文

統計数理研究所

中野 赳

三重大学

松村 康弘

厚生省国立健康・栄養研究所