平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−27

専門分類

3

研究課題名

ベイズ法による非定常システムの解析法

フリガナ

代表者氏名

キョウ コウキ

Jiang Xing-Qi

ローマ字

所属機関

旭川大学

所属部局

経済学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

社会経済システムのようなシステムの特徴はその構造が時間とともに変化することである。非定常なシステムに関して、平均非定常な時系列の解析法や共分散非定常な時系列の解析法などが提案されている。これらの時系列解析法をふまえて、平均と共分散同時非定常な時系列の解析法を開発することは本研究の目的である。


本共同研究の目的はこれまでの時系列解析法をふまえて、平均および共分散が同時に時間とともに変化する非定常な時系列の解析法を開発することである。平成6年度は、主にモデリングおよびアルゴリズムの考案を中心にして共同研究を行った。具体的な研究結果としては次の二つがある。
第一は多変量時変係数ARモデルによる時変周波数・波数スペクトルの推定法の開発である。多数の観測点で観測されたアレイデータを使って周波数・波数スペクトルを推定することは地球物理学の分野では非常に意義のあることであるが、従来の推定法は非定常なアレイデータに適用しにくいのが現状である。これに対して、多変量時変係数ARモデルを適用することによって、時変周波数・波数スペクトルを推定することができるようになった。現在、まだいくらか工夫の必要があるが、非定常なアレイデータの解析法として実用化できると確信する。
第二に、経済データを解析するため、従来のARIMAモデル、季節調節モデルおよび時変係数ARモデルによる非定常な時系列の解析法を拡張し、平均および共分散が同時に変化する非定常な時系列を解析するモデルを開発している。現在、考案したモデルに基づいてアルゴリズムおよびプログラミングの仕上げの段階に入ったところである。引き続きプログラムを完成させて、それを実際データの解析に適用することは平成7年度の課題である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

姜 興起,ベイズ法を用いた動的回帰分析,システム制御情報学会論文誌,第8巻・第1号,1995年1月

姜 興起・北川源四郎,時変係数VARモデルによる時変周波数・波数スペクトルの推定,日本統計学会第62回報告会,1994年7月24日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究では、従来のベイズ型季節調整モデルや時変係数ARモデルおよび時変係数VARモデルなどの非定常な時系列の解析法をふまえて、最新の情報量統計学の理論および数値計算法をもとにして、平均と共分散同時非定常のような非定常時系列を取り扱う新しい解析法を開発する。
具体的には新しいモデルと推定法を提案し、またその計算法およびプログラムを完成する。さらに開発した方法を地震データの解析および社会経済システムの変動性の分析に応用する。そのために、最新の統計科学の理論と方法および大型計算機が不可欠なものとなるので、統計数理研究所および旭川大学の研究者の共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所

田辺 國士

統計数理研究所