平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−75

専門分類

7

研究課題名

循環器疾患のリスク要因に関するコホート研究

フリガナ

代表者氏名

タカギ ヒロフミ

高木 廣文

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

高齢化が進む中で,循環器内科の臨床の場では,従来から言われている発生リスクの対策はある程度浸透しているにもかかわらず,動脈脈硬化性疾患の増加が大きな問題になっている。本研究は,三重県内の特定地域を研究対象地域とし,当該地域の成人住民についてて,長期コホート研究を実施し,循環器疾患発生要因を明らかにすることを目的とする。


三重県度会郡南勢町寿海を対象に、主に循環器疾患による死亡をエンドポイントとするコホート研究を行っている。
1993年から、南勢町立病院が実施する住民検診時に、質問紙による生活習慣調査、血液学的検査値等のデータ収集を継続的に行っている。調査対象者は、コホート研究開始時に40歳以上65歳以下のものとし、1995年中に全項目について全対象者のデータを収集する予定であった。現実には、予定数を大幅に下回っており、1996年度は研究計画の再検討を行い、次年度以降の調査方法を見直した。
生活習慣に関するデータは、約2200名ほど収集されており、これまで男女による尺度得点に多くの尺度で統計的有意差が認められた。また、喫煙習慣と血液学的な検診項目、生活習慣尺度などにも、興味ある結果が得られている。
しかしながら、特定の疾患による死亡等と生活習慣との関係は、死亡数がそれほど多くないことや、現在でも対象者数の半分弱程度のデータしか収集できない状況で、解析は困難であった。生活習慣尺度と検診項目間の関連や、住民の特定の疾患に対する罹患や死亡状況等との関係を、今後継続的に研究する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Y.Matsumura,Y.Yoshitake,M.Nishimuta,T.Sato,H.Takagi,M.Kuniyoshi,
H.Kakimoto,N.Isaka,K.Takase,T.Nakano:The Nansei-Cho Cohort Study:I.Design
and Objectives,the XIV International Scientific Meeting of the International
Epidemiological Association,216,1996(28th,August,Nagoya)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

コホート集団として,三重県度会郡南勢町在住の成人健康者を対象とする。調査期間は平成5年4月1日から平成18年3月31日までの13年間を予定している。循環器系疾患の死亡率や発生率をもとに,統計学的に適当な検出力で同定できる標本数から,具体的な対象者を設定し,質問紙に含める検討項目の設定と数量化,また身体状況や血液検査項目などの臨床調査項目の設定など疫学調査として適当な調査デザイン作成を行い,平成5年8月に第1回目の調査を実施した。既存の循環器系疾患のリスクの知見とともに,近年の生物統計学の知見が必要である。平成7年度まで同様な調査を実施し,ベースラインデータの収集を行った。平成8年度も未収集のベースラインデータの整備を行う必要があり,また大量のデータ管理のために統計数理研究所の施設および人的資源が必要とされる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

垣本 斉

三重県度会郡南勢町立病院

国吉 幹夫

三重県度会郡南勢町立病院

佐藤 俊哉

統計数理研究所

中野 赳

三重大学

松村 康弘

厚生省国立健康・栄養研究所