平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−65

専門分類

7

研究課題名

咬合系の変化と顎顔面骨格形態の関連について

フリガナ

代表者氏名

スズキ ヨシイ

鈴木 祥井

ローマ字

所属機関

神奈川歯科大学

所属部局

歯学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年不正咬合,顎関節症などが増加しているが,症状の把握のみにとどまる診断対症療法がほどこされているのが現状である。平成6年度の研究により不正咬合症例における咬合系と顎顔面骨格形態の関連性が認められたことから,異常の認められる咬合が環境的要因として骨格性不正咬合を作る一要因であることが示唆された。そこでさらに成長および咬合機能などの要因を加味することにより咬合系と顎顔面骨格形態の関連性について明かにすることを目的とする。


これまで骨格性不正咬合の成立には,主に遺伝的要因が関与すると考えられてきた。しかし,近年では環境的要因の影響も極めて大きいことを示す報告も増えてきた。これまで,上下顎の咬合平面と顎顔面骨格との関連について検討したところ,下顎よりはむしろ上顎の咬合平面が下顎位および下顎骨の大きさに影響している可能性を示すことができた。そこで,さらに不正咬合症例における上顎の咬合平面と顎顔面骨格との関連性について研究した。
不正咬合を主訴として神奈川歯科大学付属病院矯正科に来院した日本人女子について,側面頭部X線規格写真を資料として,主成分分析とクラスター分析を行った。その結果,以下のような知見を得ることができた。すなわち,大部分の不正咬合症例で,上顎歯系の特徴を上顎咬合平面の傾斜と上顎第一大臼歯の垂直距離の二つの因子で表すことができた。また,不正咬合症例を上顎咬合平面の傾斜と上顎第一大臼歯の垂直距離の違いにより,5グループに分類ができた。これらの各グループは,Angleの不正咬合の分類に対応していることが示された。これらの結果から,顎顔面骨格のうち,とくに下顎が上顎歯系の影響を受ける可能性があることが示唆された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究資料として、顎顔面形態の異常をもつ不正咬合者の側貌頭部X線規格写真を用い、咬合系による類似パターンの分類を行い、顎顔面骨格形態との関連性を検討する。そこで様々な要因による咬合系の分類、ならびに骨格との関連性の検討においては、多変量による主成分分析、クラスター分析などの統計的手法を用いる必要性があり、今回共同研究を申請する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

久保田 隆朗

神奈川歯科大学

酒井 博子

神奈川歯科大学大学院

佐藤 貞雄

神奈川歯科大学

高木 廣文

統計数理研究所