平成28（2016）年度　重点型研究実施報告書

課題番号	28−共研−4310		分野分類			統計数理研究所内分野分類			i
						主要研究分野分類			8
研究課題名	３次元解析技術を用いた樹幹材質特性分析による樹幹変形及び折損リスク評価
重点テーマ	リスク科学のフロンティア
フリガナ 代表者氏名	タカタ カツヒコ 高田 克彦				ローマ字		Takata Katsuhiko
所属機関	秋田県立大学
所属部局	木材高度加工研究所
職　　名	教授
配分経費	研究費	40千円		旅　費		163千円		研究参加者数		5　人

研究目的と成果（経過）の概要

　本研究の目的は、樹幹の外部形状の３次元画像に樹幹内部の材質特性情報を組み入れることによって、外力に対する樹幹の変形及び折損のリスクを評価することである。
　傾斜地に生育したスギを対象にしてモーションキャプチャー技術を応用して作成した樹幹外部形状の３次元画像に年輪情報を組み込み、その変動を詳細に検討した。その結果、地際付近の斜面下側の材部において傾斜地に生育する針葉樹に特徴的に形成される年輪幅が広く材密度の高い「圧縮アテ材」の形成が認められた。一方、斜面上部の材部では「圧縮アテ材」の形成時期以降に、年輪幅の広い領域が形成されている状況が確認された。傾斜地に生育したスギは、地際付近において「圧縮アテ材」形成によって樹幹の傾斜が修正された後に傾斜上部側の肥大成長が促進されることによって樹幹断面が斜面方向に長軸を持つ卵形になり、その結果、力学的に樹幹の折損リスクを回避していると考えられる。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

Kobayashi, K., Surovy, P., Takata, K. and Yoshimoto, A. (2014) Analysis of standing trees using a motion capture system: a three-dimensional stem model for basal sweep of Japanese cedar (Cryptomeria japonica D. Don.), FORMATH, 13:78-96

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会開催の実績はない。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
工藤 佳世	秋田県立大学
瀧 誠志郎	秋田県立大学
吉本 敦	統計数理研究所