平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2057

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

7

研究課題名

街路景観に対するアンケート調査を分析するための統計解析法の研究

フリガナ

代表者氏名

シモカワ トシオ

下川 敏雄

ローマ字

Shimokawa Toshio

所属機関

山梨大学

所属部局

大学院医学工学総合研究部

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

43千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,景観デザインの評価を適切に実施するための統計的基盤づくりを行うことである.そこでは,景観評価に対するアンケート調査の樹木構造接近法に基づく統計的データ解析に焦点を絞る.

 本研究では,樹木構造接近法のなかでも,とくにアンサンブル樹木法に焦点を絞り,Friedman & Popescu(2008)のRuleFit法をロジスティック回帰の枠組みで拡張した,ロジスティック回帰型RuleFit(L-RuleFit)法を提案した.また,RuleFit法では基本学習器に付与された回帰パラメータの推定および刈り込みにLasso(Tibshirani, 1996)を利用している.他方,L-RuleFit法ではElastic Net(Zou & Hastie, 2005)を利用した.L-RuleFit法と既存アンサンブル学習法の予測確度をシミュレーションにより評価した結果,L-RuleFit法の予測確度が最も高かった.

 L-RuleFit法は,日本(東京23区)および中国(成都市)で実施した街路景観満足度調査のデータに応用した.その結果,街路舗装が最も重要な要因であるものの,街路のゴミが目立つような場所では街路舗装が良くても満足な街路であるとはいえないことがわかった.これらの知見は,既存の樹木構造接近法からは得ることができなかった.
 

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究では,学術論文「李力・下川敏雄・楊鶤・黒木 学・大山 勲・北村眞一:日本および中国での身近な街路景観の認知特性に対する物理的要因評価:東京23区と成都市の国際比較, 日本感性工学会論文誌, 12(3), 369-378, 2013.」が掲載された.

また,学会発表では,「Li L., K. Yan, S. Kitamura, T. Shimokawa: Development of the modified rule ensemble method for binary data: Application to questionnaire data about streetscape in Japan and China, 日本計算機統計学会 第27回大会, 2013」を発表している.

さらに,日本計算機統計学会で発表した内容は,現在,学術雑誌(欧文)に投稿中である.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会は主催しなかった.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

黒木 学

統計数理研究所

楊 鶤

山梨大学

李 力

山梨大学