平成22(2010)年度 一般研究2実施報告書
課題番号 |
22−共研−2061 |
分野分類 |
統計数理研究所内分野分類 |
i |
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主要研究分野分類 |
7 |
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研究課題名 |
最適森林資源管理モデルを用いた風害リスクの経済評価 |
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フリガナ 代表者氏名 |
ヨシモト アツシ 吉本 敦 |
ローマ字 |
Yoshimoto, Atsushi |
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所属機関 |
統計数理研究所 |
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所属部局 |
数理・推論研究系 |
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職 名 |
教授 |
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配分経費 |
研究費 |
0千円 |
旅 費 |
0千円 |
研究参加者数 |
1 人 |
研究目的と成果(経過)の概要 |
本研究では,昨今の気候変動に伴い多発する台風被害の風害リスクおよび雪害リスクについて,ロジスティック回帰により地理情報及び林分情報の要因を用いてモデル化し,風害・雪害リスク下における最適森林資源管理モデルの構築により,自然災害リスクの経済評価を行うことを目的とした.まず,ロジスティック回帰モデルを用いて,2004年富山県小矢部市のスギ林を対象に,冠雪害に対する発生リスクの解析を行った.回帰モデルの構築には,情報量基準による変数選択法を用いて冠雪害に影響を与える要因を決定した.そして,基準量についてAIC, BIC, CAICの3つの指標を用いた.この手法で得られた結果と先行研究の回帰木による予測結果と比較したところ,冠雪害リスク判別能力は50%を基準とした場合は大差がないが,ロジスティック回帰モデルが被害リスクを連続的に表現することができる点を考慮すれば,ここでのモデルの方が有効であることが分かった.また,災害リスクは樹齢と共に増加し、樹高が高い林木ほど高くなることが分かった.風を受けない林地においてはリスクが低くなる傾向があることが分かった.次に富山県の小矢部市のスギ3林分を対象に,林分レベルの間伐最適化問題を構築し,冠雪害の経済分析を行った.ここでは,過去の研究より形状比(樹高/胸高直径)による災害回避を仮定し,65-70%以下に抑える制約に対する経済評価を行った.分析の結果,富山県の育林体系に基づく間伐計画は,対象とした2林分において,計画期間を通して形状比が70%以下に抑えられるが,経済的に最適な間伐計画では,樹齢30-35年頃から形状比が70%を超えることがわかった.また,上記以外の1林分では,育林体系に従ったとしても形状比が70%以下に抑えられないが,経済的に最適な間伐計画によるそれよりは,平均5%程度低いことが明らかになった. |
当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) |
論文発表: |
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研究参加者一覧 |
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氏名 |
所属機関 |