昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−68

専門分類

8

研究課題名

少年非行の動向にかかわる社会的諸要因についての分析

フリガナ

代表者氏名

ヤマガミ ヒロシ

山上 皓

ローマ字

所属機関

東京医科歯科大学

所属部局

難治疾患研究所

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

申請者の1人である山上は,最近,犯罪統計書等の資料にもとづいて,わが国の戦後40年間の少年非行の動向を詳細に調査し,分析を加え,少年非行の社会的要因に関するいくつかの仮説を提示した(投稿中)。
本研究は,上記調査に加えて,少年非行の動向にかかわりうる社会的諸要因についての,より広範な調査を行い,非行の動向と社会的変数との間の相関を,統計学的に検証し,前記仮説の証明と肉づけを試みようとするものである。


下記の経緯により,研究期間の延長,継続を希望する。
I.共同研究実施状況
1)具体的目標の設定
諸資料を収集して検討した結果,本研究において検証可能とみなされたのは,共同研究者の一人である山上〓が先に提示した仮説のうち,次の三点である。
1.戦後の少年による性非行の一過性の急増という現象は,わが国における性の解放の急突な導入に伴う混乱と,その終息の過程を反映する。
2.戦後長期に亘って持続する少年窃盗犯の増加という現象は,わが国の経済的繁栄のもとで物の価値が相対的に減じ,窃盗の手口が容易化される過程で生じている。
3. 年の年少少年による非行の急増の背景には,少年の養育環境一般の悪化と,これに伴う彼らの社会意識の歪みがある。
2)研究方法の検討,設定
上記仮説の検証に必要と思われる諸種の統計資料と意識調査に関する資料を,全国と特定地域を対象として収集することにした。
3)その後の進行状況とこれまでに得られた成果
1.全国規模の少年非行の動向については,警察庁の資料により,昭和20年〜60年の40年間の年令層別,罪種別,男女別人員が把握された。
2.特定地域としては,神奈川県警の協力をえて,昭和40年〜60年の20年間の,市町村別非行少年数(罪種別)が明らかにされた。
3.上記仮説の検証に要する全国規模および神奈川県下を対象とする諸統計および意識調査に関する資料を収集中である。いまだ,充分な統計的分析を加えうる段階にはないが,個々の所見としては上記仮説の正当性を示唆するものも多くみられる。
註…その内容は,本研究期間中に発表された後掲論文に記されている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

山上皓:日本の少年非行の動向(藤原豪編:青少年の社会病理,S165−185,金原出版,1986)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

申請者の1人である山上は,最近,犯罪統計書等の資料にもとづいて,わが国の戦後40年間の少年非行の動向を詳細に調査し,分析を加え,少年非行の社会的要因に関するいくつかの仮説を提示した(投稿中)。
本研究は,上記調査に加えて,少年非行の動向にかかわりうる社会的諸要因についての,より広範な調査を行い,非行の動向と社会的変数との間の相関を,統計学的に検証し,前記仮説の証明と肉づけを試みようとするものである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 達三

帝京平成大学