平成232011)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

23−共研−4309

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

3

研究課題名

ゲノム多様性の確率モデルによる推測

重点テーマ

ゲノム多様性と進化の統計数理

フリガナ

代表者氏名

マノ シュウヘイ

間野 修平

ローマ字

Mano Shuhei

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

0千円

研究参加者数

10 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

目的:
ゲノムの多様性は突然変異,ランダムな浮動などによって形成される.この進化過程を確率過程としてモデリングすることで,ゲノムデータからの統計的推測の枠組みを構築できる.本課題では,モデリングの新しい方向性を追求することを目指した.
成果:
1.マルコフ過程における双対性は確率解析に有用であり,拡散に従う母集団から抽出した標本が従う確率モデルを自然に導出できるという重要性がある.本研究では,本研究所の伊藤栄明名誉教授らによるグラフのノードの値をとり,ノードで結ばれた粒子が相互作用する粒子系の拡散モデルの双対をなす標本のモデルとして2粒子衝突のモデルを導いた.本研究の着想の元になった研究について2件を論文化した.

2.学習との接点を追求した.ゲノム多様性の確率モデルでは,尤度を明示的に求められないことがほとんどである.本研究では,機械学習との接点を追求した.具体的には,本研究所の福水教授らが考案したKernel Bayes Ruleをゲノム多様性の確率モデルを用いる推測に適用し,カーネル法の利点,特に一致性を保証できることの重要性を明らかにした.本研究について論文を投稿した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Mano, S., Ancestral Graph with Bias in Gene Conversion, ISM Research Memorandum No.1154.
Mano, S., Duality between the two-locus Wright-Fisher Diffusion Model and the Ancestral Process with Recombination, ISM Research Memorandum No.1155.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

10月25日,26日と12月19日,20日に研究所で研究集会を開催した.テーマは1回目がウィルスゲノム配列の進化予測,2回目が人類のゲノム多様性であった.参加者数はそれぞれ22名,32名であった.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

太田 朋子

国立遺伝学研究所

岸野 洋久

東京大学

佐々木顕

総合研究大学院大学

鈴木 善幸

名古屋市立大学

西野 穣

国立遺伝学研究所

三浦千明

東京大学

山田 隆行

統計数理研究所

米澤 隆弘

復旦大学