平成202008)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

20−共研−17

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

5

研究課題名

統計的モデルに基づく地球科学における逆問題解析手法

フリガナ

代表者氏名

タナカ ヨシマサ

田中 良昌

ローマ字

Tanaka Yoshimasa

所属機関

国立極地研究所

所属部局

宙空圏研究グループ

職  名

融合プロジェクト特任研究員

 

 

研究目的と成果の概要

研究目的:
本研究は、北欧に設置されたALIS(Aurora Large Imaging System)と呼ばれるオーロラ地上多点観測網から得られた複数のオーロラ画像データに、欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダー観測による電離層電子密度高度分布データ、イメージングリオメータ観測による下部電離層の銀河雑音電波吸収データ、「れいめい」衛星観測による上空からのオーロラ画像データ、など多種多様なデータを融合させて、オーロラの3次元構造、並びに、元となるオーロラ降下電子のエネルギー・空間分布を推定する「一般化オーロラトモグラフィ(Generalized Aurora Computed Tomography)逆問題解析手法」を開発することを目的としている。この手法により、これまで未解明であるオーロラの3次元構造やその時間変動、オーロラ発光過程、オーロラサブストームの発生機構などについて、新たな知見が得られることが期待される。

成果:
 既に、「一般化オーロラトモグラフィ逆問題解析手法」のうちオーロラ画像(波長427.8nm)とEISCATレーダー観測による電子密度データを融合させるアルゴリズム、プログラム開発はほぼ終了し、簡単なケースについて数値シミュレーションによりこの手法の有効性を確認した。この成果は、電子情報通信学会論文誌に投稿予定である。
昨年12月中旬に共同利用登録をおこなったため、これまでの研究は主に国立極地研究所のスーパーコンピュータでなされた。2009年度は、統計数理研究所のスーパーコンピュータを積極的に利用したいと考えている。