平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−91

専門分類

8

研究課題名

パレート・ジーニをめぐる統計的諸問題

フリガナ

代表者氏名

タグチ トキオ

田口 時夫

ローマ字

所属機関

東京経済大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

パレート・ジーニをめぐる統計的諸問題としては大別すると二つある。その一つは方法論であり,モメント解析と対置して集中解析法が構成可能であり,従来は主として此の面で研究を行って来た。他の一つは適用対象であり,不平等問題を含む課税原理や,社会的貧困の分析と密着した課題である。本年度は売上税への関心を考慮して,特にこの後者の方向で研究を行う予定である。


研究代表者は,本研究課題の下で,今年度はパレート分布の一般化を試みた。
それは対数ガンマ分布とも云えるもので,同時にジップ分布の一般化形式も与えている。
その結果がパレート分布の拡張といえる点は,次の二点に関係している。
1.一変量の一般化形式は,従来のパレート分布と同一のdomain of attractionに属する。又同一のcharacteristic exponentをパラメータの一つとして所有してる。従つて,〓上の裾の収金欠速度が等い。
2.二変量の一般化形式に於ては,そのexact regressionは,パレート分布と同様にpower functionである。又拡張のメリットは,在来形式の欠陥とされていた上部階層ではよく適合するが,下部階層で適合度が低いことが是正された。つまり原点で最大とすることも0とすることも出来るパラメータが生じている。今後の問題点は寧ろ中間階層が,経験的所存分布に適合させると稍やせ気味な事である。これを是正する為には更にノルムを導入する必要がある事が確認された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.Taguchi,T.‘On a new income distribution and a measurement of coefficient of elasticity’.
The third Japan−China Simposium on Statistics Nov.1989.Tokyo
1.田口時夫「パレート分布の一般化と弾力性の測定」,統計学の数理的基礎と応用に関する研究(科研費総合A,No.63302006,代表者・広津千尋)報告集P265,報告1989年11月21日大阪大学・基礎工学部


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

上記の研究目的により,本年度の研究は従来の方法論研究から一歩データ解析に接近することになる。従つてまずデータとして家計簿計資料及び法人企業統計を中心に取上げる。次に此等のデータに則した計量経済モデルを検討する。その基礎は消費関数及び生産関数モデルといえる。
此等のモデルの検討は,研究代表者の開発した集中解析システムに基づいて行うことが出来る。その最も有効な手法は,弾力性係数の測定方法を初めとする非線形構造の分析システムである。その詳細については「統計数理」次号


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

豊田 敬

法政大学

牧野 都治

東京理科大学