平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−43

専門分類

4

研究課題名

意識調査結果の解析的研究

フリガナ

代表者氏名

タカクラ セツコ

高倉 節子

ローマ字

所属機関

東京国際大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

'94年度に実施した自立意識調査(有効回答:1407サンプル)の分析について、第1次的解析を昨年度に行ったが、引き続き、自由回答について、対応分析を始めとする詳細な質的データ解析を行い、この種の複雑な日本語の意味合いの客観的把握を可能とするような方法の開発を探究し、同時に女性の自立意識の深層構造を解明する事を目的とする。


本年度は、”女性の自立意識調査”('94年度実施)結果の中で、主として自由回答について、対応分析法(数量化3類)の適用による分析を行った。自由回答の分析については、文章を構成要素(単語など)に分け、頻度の多い単語をキーワードとしてとり出し(GU-Talkを使用)、このキーワードについての反応に関して対応分析を適用し、分類を行った。
特に、”Q12(自分の自立状況についての判断基盤)”に関する自由回答について、前もって行っていた通常のアフターコーディングによる4つのカテゴリー{経済,家庭・生活,精神面,社会参加}の各々に関連の強い項目を、キーワードの中から析出してみると、やはり、それぞれ関連性の強い単語が選出され、通常行われているアフターコーディングとの整合性が確かめられた。そして、キーワードの出現頻度と、他の主要項目との関連性も明らかに示された。更に自由回答の文節が一層長く、内容も多岐に亘っている、”自立についての感想”の項についての分析を進め、このようなテキスト型データの分析プログラム(SPAD.Tー共同開発による)の展開を検討した。
今後、文章を特徴づけるために、品詞を考慮して組み合わせられた単語群などを構成要素として分析を行うことも考えられ、より精緻化した方法を開発し、これにより、熟練者の行うアフターコーディングを、機械的な操作により、一層客観的に、速やかに、析出できることを狙っている。 │


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高倉節子,Research Concerning the Consciousness of Women's Attitude toward Independence, Proceedings of IFCS-96: Data Science, Classification and Related Methods, 1997年6月予定
共同研究リポートとして、平成9年中に発行の予定

村田磨理子,カテゴリカルデータ解析による自由回答の分類,日本統計学会, '95年7月28日
高倉節子,女性の自立意識,日本社会心理学会,'96年9月28日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

昨年度の研究では、数量化3類(対応分析)、2類を適用し、項目間の関連性を中心とした分析に留まった。本年度は、既に作成した回答文のテキスト型データに基づいて、先ず、自由回答について、対応分析を適用し、日本語の意味合いの計量的把握の方法を探っていく。分析過程における構成要素が極めて多い事から、対応分析の適用の方法も種々のステップが考えられ、この種の複雑な意識の表現についての最適な方法を解明していく。次に、この結果と通常のアフターコーディングによる結果との対比を行い、情報の歪み、脱落等を明らかにする。そして、自由回答と、他の質問項目、属性項目等との関連を明らかにし、女性の自立意識の深層構造を探究する。自由回答の対応分析などの適用については、貴研究所教官の協力がぜひ必要であり、大型計算機の使用も必要となってくる。なお、分析結果をネットワーク通信により相互に検討し、データの共有化を計り、研究を進める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上松 由紀子

関東学院女子短期大学

大隅 昇

統計数理研究所

増子 隆子

(株)シーダー

村田 磨理子

(財)統計情報研究開発センター