平成29（2017）年度　共同研究集会実施報告書

課題番号	29−共研−5014		分野分類			統計数理研究所内分野分類			j
						主要研究分野分類			8
研究課題名	統計学的アプローチによる問題解決のための環境化学分析の最適化・高度化に関する研究集会
フリガナ 代表者氏名	ハシモト シュンジ 橋本 俊次				ローマ字		Hashimoto Shunji
所属機関	国立環境研究所
所属部局	環境計測研究センター
職　　名	室長
配分経費	研究費	40千円		旅　費		655千円		研究参加者数		48　人

研究目的と成果（経過）の概要

　PCBを含む残留性有機化合物（POPs）やその他の有害化学物質の汚染経路の解明と汚染原の究明および、化学物質の組成情報を活用した環境動態の解明や環境汚染物質の発生源及び環境データの収集と共有化、統計学的手法を用いた信頼できる発生源解析法の開発、調査計画、試料採取、モニタリング、分析操作、データ処理の各工程において測定値に影響を及ぼす要因を統計的に理解し、測定精度の向上と信頼のおける調査方法の確立のための研究を分担実施し、その報告と情報交換、新たな研究課題の模索を目的とし、以下のとおり研究報告会を開催し、研究の報告と情報交換を行った。

集会名：「統計学的手法を用いた環境及び生体化学調査の高度化に関する研究」研究報告会
日時： 平成29年12月14日（木）、15日（金）
場所： 統計数理研究所　セミナー室２
研究報告：
（１）「迅速前処理カートリッジ普及に向けた取組について」大原俊彦（広島県立総合技術研究所保健環境センター）
（２）「各種質量分析データに適用可能なNMFによるクロマトピークデコンボリューション手法」頭士泰之（産業技術総合研究所）
（３）「プランクトンが産生する「カビ臭」対策について」菱沼早樹子（宮城県保健環境センター）
（４）「大阪府立公衆衛生研究所での33年間を振り返って」小西良昌（大阪健康安全基盤研究所）
（５）「微量汚染物質の代謝挙動の解明への取り組み」永吉晴奈（大阪健康安全基盤研究所）
（６）「ダイオキシン類を中心とする残留性有機汚染物質（POPs）の環境動態と発生源の解析に関する環境化学的研究」先山孝則（大阪市立環境科学研究所）
（７）「GCｘGC-ToFMSによるノンターゲットモニタリングにおける差の検出について」橋本俊次（国立環境研究所）
（８）「セルビアにおけるPOPsモニタリングとインターネットによる情報共有」中野 武 （大阪大学）
（９）「ノンターゲット分析による PET ボトルの非意図的添加物質分析」山本敦史（公立鳥取環境大学）
（１０）「濃度現象の解析に用いられる確率分布について」金藤浩司（統計数理研究所）

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

【誌上発表】
1) Asakawa D., Uemura M., Sakiyama T., Yamano T. (in press) Sensitivity enhancement of aminoglycosides in hydrophilic interaction liquid chromatography with tandem mass spectrometry by post-column addition of trace sodium acetate in methanol. Food Additives & Contaminants: Part A

2) Minomo K., Ohtsuka N., Nojiri K., Matsumoto R. (2018) Influence of combustion-originated dioxins in atmospheric deposition on water quality of an urban river in Japan, J. Environ. Sci. 64, 245-251.

3) Zushi, Y., Gros, J., Tao, Q., Reichenbach, S.E., Hashimoto, S., Arey, J.S. (2017) Pixel-by-pixel correction of retention time shifts in chromatograms from comprehensive two-dimensional gas chromatography coupled to high resolution time-of-flight mass spectrometry, J.Chromatogr. A, 1508, 121-129

4) Kakimoto K., Akutsu K, Nagayoshi H, Konishi Y, Kajimura K, Tsukue N, Yoshino T, Matsumoto F, Nakano T, Tang N, Hayakawa K, Toriba A. (2018) Persistent organic pollutants in red-crowned cranes (Grus japonensis) from Hokkaido, Japan. Ecotoxicol Environ Saf. 147, 367-372.

【口頭発表】
1) Nagayoshi H.,Kakimoto K., Konishi Y., Kajimura K., Nakano T. (2017) Determination of the human cytochrome P450 monooxygenase catalyzing the enantioselective oxidation of 2,2',3,5',6-pentachlorobiphenyl (PCB 95) and 2,2',3,4,4',5',6-heptachlorobiphenyl (PCB 183), Environmental Science and Pollution Research, 1-7 Epub ahead
2) Shimada T., Murayama N., Kakimoto K, Takenaka S., Lim Y.R., Kim D., Yamazaki, H., Guengerich F. P., Komori, M. (2017) Oxidation of 1-chloropyrene by human CYP1family and CYP2A subfamily cytochrome P450 enzymes: catalytic roles of two CYP1B1 and five CYP2A13 allelic variants. Xenobiotica, 2017 Epub ahead

3) Kakimoto K., Murayama N., Takenaka S., Nagayoshi H., Lim Y.R., Kim D., Yamazaki, H., Komori, M., Guengerich F. P., Shimada T. (2017) Cytochrome P450 2A6 and other human P450 enzymes in the oxidation of flavone and flavanone. Xenobiotica, Epub ahead

4) Asakawa D. (2018) Structural characterization of humic-like substances in atmospheric aerosol and their sorption properties of polycyclic aromatic hydrocarbons. Frontiers of Atmospheric Aerosol Studies: Toward the Understanding of Their Health and Climatic Effects, 名古屋市（2018.01.23-24）

5) 浅川大地, 東條俊樹 (2017) 越境大気汚染時のPAHsとニトロPAHs濃度の日内変動. 第34回エアロゾル科学・技術研究討論会, 東京都 （2017.8.3-4)

6) 石井克巳, 木戸瑞佳, 北見康子, 梅田真希, 長谷川就一, 西山亨, 西村理恵, 中坪良平, 山本真緒, 池盛文数, 船木大輔, 山村由貴, 浅川大地, 菅田誠治 (2017) 2016年12月におけるPM2.5高濃度事例の解析2. 第58回大気環境学会年会, 神戸市 （2017.9.6-8）

7) 熊谷貴美代, 梅田真希, 西村理恵, 石川千晶, 木戸瑞佳, 石井克巳, 長谷川就一, 北見康子, 池盛文数, 山本真緒, 中坪良平, 船木大輔, 力寿雄, 浅川大地, 菅田 誠治 (2017) 2017年3月におけるPM2.5高濃度事例の解析. 第58回大気環境学会年会, 神戸市 （2017.9.6-8）

8) 西村理恵, 浅川大地, 池盛文数, 山本勝彦, 菅田誠治 (2017) 大阪におけるPM2.5へのバイオマス燃焼影響の考察. 第58回大気環境学会年会, 神戸市 （2017.9.6-8）

9) 浅川 大地, 宮野実佳, 奥勇一郎 (2017) シベリア森林火災由来レボグルコサンの輸送過程での分解性推定. 第58回大気環境学会年会, 神戸市 （2017.9.6-8）

10) 浅川大地 (2017) 大気中腐植様物質の化学構造特性と多環芳香族炭化水素類収着能の関係. 日本腐植物質学会第33回講演会, 山口市 （2017.11.16）

11) 小西良昌，柿本健作，内田耕太郎，原田和生 (2017) ベトナム・ホーチミン市のLocal marketで購入した淡水魚中のDDT類. 第26回環境化学討論会、静岡

12) 蓑毛康太郎，茂木守，野尻喜好，大塚宜寿，堀井勇一，竹峰秀祐 (2017) 潮位変動に伴う河川水中ダイオキシン類の濃度変化，第26回環境化学討論会P-023

13) 蓑毛康太郎，茂木守，野尻喜好，大塚宜寿，堀井勇一，竹峰秀祐 (2017) 古綾瀬川表面底質中のダイオキシン類，第26回環境化学討論会P-024

14) 蓑毛康太郎，茂木守，大塚宜寿，堀井勇一，竹峰秀祐，野尻喜好 (2017) 埼玉県における大気降下物中Dechlorane Plus，第26回環境化学討論会P-029

研究参加者一覧
氏名	所属機関
浅川 大地	大阪市立環境科学研究センター
姉崎 克典	地方独立行政法人北海道立総合研究機構環境・地質研究本部環境科学研究センター
石川 文子	宮城県保健環境センター
市原 真紀子	大阪市立環境科学研究センター
井原 紗弥香	広島県立総合技術研究所保健環境センター
茨木 剛	新潟県
岩切 良次	環境省 環境調査研修所
岩村 幸美	環境省
宇野 映介	福岡市保健環境研究所
大浦 健	名城大学
大塚 宜寿	埼玉県環境科学国際センター
大原 俊彦	広島県立総合技術研究所保健環境センター
柿本 健作	大阪府立公衆衛生研究所
柏木 宣久	統計数理研究所
金藤 浩司	統計数理研究所
木村 淳子	広島県立総合技術研究所 保健環境センター
鴻巣 祐也	新潟県保健環境科学研究所
小西 良昌	独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所
先山 孝則	大阪市立環境科学研究センター
櫻井 健郎	国立環境研究所
佐々木 裕子	独立行政法人 国立環境研究所
清水 明	千葉県環境研究センター
頭士 泰之	産業技術総合研究所
染矢 雅之	公益財団法人東京都環境公社
高橋 司	一般財団法人日本環境衛生センター アジア大気汚染研究センター
高橋 みや子	新潟県保健環境科学研究所
高村 範亮	福岡市保健環境研究所
富所 貴昭	新潟県保健環境科学研究所
中野 武	大阪大学
永洞 真一郎	地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 環境・地質研究本部 環境科学研究センター
中村 朋之	宮城県
永吉 晴奈	地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所
新田 千穂	福岡市保健環境研究所
濱脇 亮次	広島県立総合技術研究所保健環境センター
半野 勝正	千葉県環境研究センター
菱沼 早樹子	宮城県保健環境センター
平川 周作	福岡県保健環境研究所
堀井 勇一	埼玉県環境科学国際センター
槇本 佳泰	広島県立総合技術研究所 保健環境センター
松尾 友香	福岡市保健環境研究所
松谷 亮	新潟県保健環境科学研究所
蓑毛 康太郎	埼玉県環境科学国際センター
宮脇崇	福岡県保健環境研究所
村瀬 秀也	一般財団法人 岐阜県公衆衛生検査センター
村山 等	新潟県保健環境科学研究所
山下 紗矢香	福岡市保健環境研究所
山本 敦史	公立鳥取環境大学