平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2007

専門分類

1

研究課題名

独立成分分析に関する理論とその応用

フリガナ

代表者氏名

エグチ シントウ

江口 真透

ローマ字

EGUCHI, Shinto

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

120千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

独立成分分析は、互いに独立な原信号が線形に混合された値が観測されるときに、観測値からもとの独立な原信号を復元することを目的とする。原信号は観測されず、互いに独立であるというだけでその分布すらも未知であるということから、Blind source separation (空間的混合だけで時間的混合がないもの)、Blind deconvolution (時空間的混合の場合)とも呼ばれている。
独立成分分析は、1990年代初頭にJutten and Herault が二人の会話を簡単なアルゴリズムで分離してみせたことが契機となって研究が始められた比較的新しい多変量解析手法である。主成分分析や因子分析のある意味で拡張とみなすことができるが、これらの手法ではうまく捉えることのできない観測値の背景にある因子や信号を捉えることのでき得る強力な解析手法である。
近年、理論と応用の両面において、信号処理、学習理論、画像処理、統計学など様々な分野の研究者が多くの研究を行っている。2003年4月には第4回国際シンポジウICA2003が奈良で行われ多くの国から研究者が集い最新の研究成果が発表された。理論に関しては、観測信号数が原信号数以上で、ノイズや外れ値がないもっとも基本的な設定においては、すでに多くの結果が得られているが復元結果の評価方法も含めて未解決の問題も多い。また、より複雑な問題設定における研究も盛んになってきている。
本研究では、復元結果の評価方法、ノイズや外れ値がある場合の復元方法とそれに関する推測理論、原信号数が未知の場合や、原信号数分の観測値が得られない場合の推測などの理論的研究を行うとともに、MEG(脳磁図)データ、fMRI(磁気共鳴機能画像)データ、生理学データ、画像データなどの解析に応用することを目的とする。
18年度は、最小βダイバージェンス法を、いくつかのICAモデルが混合されたMixture ICAモデルに適用し各コンポーネントの独立成分を復元する方法について研究が進められた。実データへの応用と最小βダイバージェンス推定量の理論的な解析を行った.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[1]Exploring latent structure of mixture ICA models by the minimum beta-divergence method. M. N. H. Mollah, M. Minami and S. Eguchi. Neural Computation 18 (2006) 166-190.
[2] Robust prewhitening for ICA by minimizing beta-divergence and its application to FastICA. M. N. H. Mollah, M. Minami and S. Eguchi. Neural Processing Letters 25 (2007) 91-110.
[3] Exploring local PCA structure for dimensionality reduction by minimizing $eta$-divergence. M. N. H. Mollah, N. Sultana, M. Minami and S. Eguchi. To be submitted

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

池田 思朗

統計数理研究所

狩野 裕

大阪大学

川口 修治

九州大学

西井 龍映

九州大学

南 美穂子

統計数理研究所

村田 昇

早稲田大学

吉岡 耕一

国士舘大学