平成111999)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

11−共研−1034

専門分類

7

研究課題名

呼吸循環疾患における代償機構破綻の予知における多項目生理情報連続モニタリング法の意義

フリガナ

代表者氏名

ヤマキ ミチヤス

八巻 通安

ローマ字

YAMAKI, Michiyasu

所属機関

山形大学

所属部局

医学部

職  名

助手

所在地

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研究目的と成果(経過)の概要

【目的】心機能障害の重症度と関連する心拍変動指標は明らかではない。そこで心機能障害を有する患者
において心拍変動指標と心機能障害の重症度との関連性の検討をする。【方法】対象は心機能障害(陳旧性
心筋梗塞32名、拡張型心筋症29名)を有する患者61名とした。全例に対し24時間ホルター型心電図検査
を施行し、心電図RR間隔時系列データを作成した。そのデータをもとに平均心拍数、RR間隔標準偏差(SDNN)、
RMSSD(隣り合ったRR間隔の差の絶対値の平均の平方根)、%NN50(50msec以上異なる正常RR間隔の出現頻
度)を求めた。またultra low frequency(<0.003Hz),very low frequency(0.003-0.04Hz),low frequency
(0.04-0.15Hz),high frequency(0.15-0.4Hz)の4周波数帯のパワー(ms2)を求めた。更にRR間隔
度数分布図を最小二乗法を用い三角形に近似し得られた底辺の長さTINN(the triangular interpolation
of normal RR intervals)、三角形の中に分布するRR間隔総数を最頻値の度数で除したTI(heart rate
variability triangular index)を求めた。以上の心拍変動指標と左室駆出率(EF)と左室拡張末期径
(LVEDD)とを比較した。【結果】EFが50%以下の群では50%以上の群に比べTINN(EF<50%,412±174msec;
EF>50%,541±174,p<0.05)及びTI(EF<50%,48.7±21.5msec;EF>50%,66.1±22.1,p<0.01)は各々
有意に低値を示し、LVEDDが55mm以上の群は55mm以下の群に比べTINN(LVEDD>55mm,421±164msec;
LVEDD<55mm,530±193,p<0.05),TI(LVEDD>55mm,49.6±20.2msec;LVEDD<55mm,65.0±24.4,p<0.05)
は有意に低下した。重回帰分析を行った結果、SDNNとTIは独立にEF(重相関係数=0.59)及びLVEDD(重
相関係数=0.59)と相違した。【結語】心拍変動に関する2つの指標、TI及びSDNNは心機能障害の重症度
と相関した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

南幅修、八巻通安、久保田功、友池仁暢。心臓カテーテル検査における血行動態と心拍変動。心電図20,
S-1-25,2000.
加賀谷茂、南幅修、八巻通安、久保田功、友池仁暢。異型狭心症患者における心拍変動。心電図20,S-
1-26,2000.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

尾崎 統

統計数理研究所

田村 義保

統計数理研究所

友池 仁暢

山形大学

樋口 知之

統計数理研究所