平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−89

専門分類

8

研究課題名

「日本人の国民性」の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

15 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1953年から1993年まで,5年おきに,40年にわたって9回じっしされてきた「日本人の国民性調査」のデータの整備・編集と,結果の総合分析を行い,戦後日本の意識動向と最近の特徴を明らかにする。



「日本人の国民性調査」は、日本人のものの見方や考え方が、社会的な属性によってどう違うか、過去数十年の間にどう変わってきたかを、計量的方法で分析し、日本人の意識の特徴を明らかにするとともに、それを通じて、新しい統計的手法開発の契機を得ようとするものである。このため、昭和28年から5年毎に全国調査を実施し、1993年(平成5年)10月に第9回目の調査を行なった。
戦後昭和期の9回の調査から、たとえば、つぎのような事実を見いだした。
(1)政治・社会・生活などに関する意見は大きく変わったが、身近かな人間関係に関する意識はあまり変化しなかった。
(2)第1次石油危機などの起きた1970年代前半には、それまで続いた近代化の進展が反転する伝統回帰的現象が見られ、日本人の意識動向の基軸が変質したことを示唆した。
しかし、現在は、これら、近代化、伝統回帰的現象をも超えた新たな次元の意識状況にあり、その意識動向の基軸を解明することが課題であった。
そこで、今年度は、前年度に引き続き、9回の調査データを総合的に分析して7編の論文を執筆し、発表した。この研究によって、端的に言えば、
(3)1970年代以降、私生活偏重型の「内向き志向」が強まりつつあることを見いだした。より詳細な分析結果については、下記文献を参照されたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

坂元 慶行他、計7編,「特集 日本人の国民性調査」,『統計数理』,第43巻 第1号, 1995年10月

坂元 慶行他、本共同関係者計6編,「統計データに見る日本人の意識」,日本統計学会、1995年7月25日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

{研究内容}
1.上記の「日本人の国民性調査」をはじめ,関連の調査結果を分析し,その研究成果を「統計数理」(平成7年6月発行予定)の「特集 日本人の国民性調査」と日本統計学会大会(平成7年7月開催予定)の「共通テーマ 統計データに見る日本人の意識」で発表する。
2.初期の「日本人の国民性調査」でコード化に不備のある部分について,データの編集・再入力を行う。
{共同研究の必要性}
 継続的な調査研究の成功のためには,研究の継続性を保ちながら,他方で,その枠組みを拡充・展開して行くことが重要である。この調査研究の一層の発展のためには,この調査研究の当初からの推進者の参加が不可欠である。 



 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

釜野 さおり

国立社会保障・人口問題研究所

駒澤 勉

統計数理研究所

鈴木 義一郎

統計数理研究所

鈴木 達三

帝京平成大学

高木 廣文

統計数理研究所

土屋 隆裕

統計数理研究所

中村 隆

統計数理研究所

西平 重喜

統計数理研究所

馬場 康維

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

前田 忠彦

統計数理研究所

村上 征勝

統計数理研究所

吉野 諒三

統計数理研究所