平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2065

専門分類

9

研究課題名

住民健康疫学調査における調査・解析法

フリガナ

代表者氏名

ヤマモト エイジ

山本 英二

ローマ字

Yamamoto Eiji

所属機関

岡山理科大学

所属部局

総合情報学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

15 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

実際の観察研究における統計調査法・解析法の理論的問題点を整理し,新しい知見を得ることが目的
である。観察研究では精度の問題もあるが,特にバイアスの大きさが問題となる。研究を続けて来た交絡
バイアスに関して一定の理論的な成果が得られ,論文として学会誌に投稿準備中である。因果推論に分割
表解析を用い,関連指標にオッズ比を用いた場合,collapsibilityとconfoundingが問題となる。従来,
この2者は区別が曖昧に用いられてきたために議論に混乱があった。ここではcounterfactual modelに
よる交絡の定義を用いて,collapsibilityと区別を行い,交絡の有無がcollapsibilityに定量的にどのよう
に影響するかを明らかにした。従来,数値例により定性的に述べられてきたオッズ比の性質
non-collapsibility without confoundingについて確率の等高線解析を解析手段として用いることで,共通
層別オッズ比に比べて合併分割表の粗オッズ比が保守化する解析的構造を明らかに出来た。また交絡
が存在するときにも,層別オッズ比と粗オッズ比との関係について,定量的な解析的結果を得た。
 平行して事例研究を実際に行っている疫学者,生物統計学者との研究討論会や,個別の共同研究を
行い,食中毒や職業性癌における因果推論における,2群の比較可能性について,これは交絡の問題
となるが,小学校での調査,病院での調査,地域・職場での調査における対照の設定における問題点
を整理する必要性があり,今後の研究課題として取り組むことにしている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表
1.山本ら 共通オッズ比を持つ分割表の併合によるオッズ比の変動 第67回日本統計学会講演報
告集 1999 296-297。
2.津田ら 粉じん暴露および塵肺と肺ガンの関連に関する症例対照研究 第72回日本産業衛生学
会講演集 産衛誌 1999;41;638。
3.馬場園ら ライフスタイルの介入としてのヘルスセミナーの評価 第1回日本健康支援学会学術
集会 1999.2.25。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大瀧 慈

広島大学

大津 忠弘

岡山大学大学院

奥村 英則

中国短期大学

佐藤 俊哉

統計数理研究所

津田 敏秀

岡山大学

土居 政之

岡山理科大学大学院

中瀬 克己

岡山市保健所

馬場園 明

九州大学

藤井 良宣

宮崎大学

松浦 正明

広島大学

柳本 武美

統計数理研究所

山添 史郎

滋賀大学

米澤 義堯

通商産業省工業技術院資源環境技術研究所

渡邊 能行

京都府立医科大学