平成302018)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

30−共研−2063

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

傾向スコア解析のための情報量規準の開発

フリガナ

代表者氏名

ニノミヤ ヨシユキ

二宮 嘉行

ローマ字

Ninomiya Yoshiyuki

所属機関

統計数理研究所

所属部局

数理・推論研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

110千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

傾向スコアを用いた因果推論において,周辺構造モデルは最も基本的なモデルの一つである.しかし,このモデルにおけるモデル選択理論の開発は十分ではなく,QICw という統計的に妥当とはいえない情報量規準が使われてきた.そこで,2017 年度までに,mean weighted squared error なる自然なリスクを考えることを提案し,その漸近不偏推定量として wCp 基準なるものを導いた.一方で,そこでの設定は最も基本的なものであり,周辺構造モデルが重要視されている「時変交絡」の設定を扱っていなかった.そこで,本年度では,複数の時点があって時点ごとに処置変数と交絡変数が観測されている「時変交絡」の設定への基準の拡張をおこなった.時変交絡のケースでは,小さい値をとる傾向スコアが現れがちになり,傾向スコアの逆数を使って与えられる IPW 推定量の挙動が不安定になる.それを軽減するのが傾向スコアを修正した stabilized weight である.そこで,拡張をおこなった基準を,stabilized weight を用いた場合にも扱えるよう,さらなるカスタマイズをおこなった.そして数値実験により,より安定したモデル選択がおこなえるようになることを確認した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

馬場 崇充 (2018). セミパラメトリックな因果推論におけるモデル選択. 統計関連学会連合大会. 中央大学.

三原 功也 (2018). 安定化重みを用いた傾向スコア解析のための情報量規準. 九州大学大学院数理学府修士論文.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会の開催はしていない.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 崇充

塩野義製薬株式会社

逸見 昌之

統計数理研究所