平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4306

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

7

研究課題名

遺伝・精神保健データおよびSNSデータを用いた精神保健的リスク要因の探索研究

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

タチモリ ヒサテル

立森 久照

ローマ字

Tachimori Hisateru

所属機関

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

所属部局

精神保健研究所 精神保健計画研究部

職  名

室長

配分経費

研究費

40千円

旅 費

11千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

精神障害の治療のための入院の長期化のリスク検知,およびリスク要因について分析を行った。リスク検知については,ベイジアンモデル選択による時間的に通常とは異なるパターンの検出法であるBaySTDetect法(Li et. al., 2012)とクラスタ分析を組み合わせることにより,精神病床からの退院発生の相対リスクの時間推移(トレンド)による都道府県の分類を試みた。現在はそれの論文化を進めるとともに,べつのアウトカム指標についても同様の手法を適用した分析の計画を立てている。リスク要因については,入院期間を従属変数として,性別,年齢,診断,入院施設の特徴を表す変数などを用いた階層ベイズモデルにより,入院長期間のリスク要因の探索を行うためのデータベースの整備が完了し,予備的な解析を進めている。

また日本における自殺予防総合対策に向けて,統計モデルを用いることにより科学的根拠に基づいた自殺リスクの発見・検討を行うことを目的とする。具体的な手法としては,(時)空間集積性・多変量時系列解析・共分散構造分析・テキストマイニング(潜在意味解析)などを用いる。成果としては,小地域統計(市区町村別の自殺者等)を視覚化するための方法およびそのデータを探索的に解析する方法を提案し学会にて報告した。

さらに保健衛生領域で空間情報が付置され大規模・大量に収集されたものに対し,また行政区域のような歪な領域で収集されることが多く,またお互いの関係が複雑にからみあったものが多く,かつ大規模な領域のデータであった場合,解析方法に万能なものが少ない。これらの実践として,近年顕著に増加率の高い首都圏に注目した空間統計解析を行い,集積性を比較した。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

[学会発表]
Takafumi Kubota (2016), Visualizing and Exploratory Data Analysis for Small Area Suicide Data, International Workshop for JSCS 30th Anniversary, Seattle, 査読なし

久保田 貴文(2016),自殺死亡の地域統計を用いた空間集積性の検出と視覚化,第7回 自殺リスクに関する研究会,立川,査読なし

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会の開催はなし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

久保田 貴文

多摩大学

冨田 誠

東京医科歯科大学