平成132001)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

13−共研−1001

専門分類

1

研究課題名

非可換確率空間における分布論に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ヨシダ ヒロアキ

吉田 裕亮

ローマ字

Yoshida Hiroaki

所属機関

お茶の水女子大学

所属部局

理学部

職  名

助教授

所在地

TEL

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研究目的と成果(経過)の概要

通常の確率空間の持つ代数的な側面を抽出し、確率変数達に対応する代数とその上の汎関数を期
待値とみた確率論は一般に代数的確率論と呼ばれる。この内、本研究では作用素環上で展開される、
いわゆる非可換(量子)確率空間をその研究の対象とする。我々の扱う分布は、自己共役作用素の
スペクトル測度を実数上の確率測度と対応させることにより得られる分布である。通常の確率空間
の独立性の概念を非可換性がより反映されたある種の独立性に代えることにより、新たな極限定理
等も考えられる。自由独立性やブール型独立性はその典型例である。独立性の概念はモーメントと
キュムラントの関係を与えること、すなわち合成積の公式を与えることにより特徴付けられている
とも考えられる。本研究では自由独立性とブール型独立性の補間にあたる独立性の概念に関して研究
を行った。この補間にあたる1係数の(s?変形)モーメント?キュムラント公式を厳密に与えた。さ
らに、このs?変形に対応するGauss分布およびPoisson分布の直交多項式による特徴付け
も行った。([3])今後は、s?変形を特殊な場合として含む、より広い自由独立性とブール型独立性
の補間を与える独立性の概念に関して研究を行う予定である。これに関しては、代表者により、部分的
な結果([2])が得られているが、まだ、直交多項式による、代表的な分布の特徴付けまでには至って
いない。来年度はこの問題を中心課題として取り組む予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

平成13年度に発表された、代表者に係る分
[1]The infinite divisibility and orthogonal polynomials with a constant recursion formula
in free probability theory,Probab.Math.Statist.,21,(2001),159-170.
[2]The weight function on non-crossing partitions for the Δ-convolution,preprint(2002).
[3]Remarks on the s-ree convolution,preprint(2002).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

市原 亮

奈良工業高等専門学校

梶原 毅

岡山大学

河上 哲

奈良教育大学

渚 勝

千葉大学