平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−72

専門分類

7

研究課題名

医用画像における空間パターン解析

フリガナ

代表者氏名

アリタ セイザブロウ

有田 清三郎

ローマ字

所属機関

関西医科大学

所属部局

教養部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

組織写真,超音波断層写真などの医用画像を使用して(1)細胞の空間配置分析,(2)細胞の形状分析(3)形状などの画像情報について,画像の特徴抽出に関する要因分析等を,医学の具体的な課題を題材にして行う。また,これら画像解析について,数理モデルとコンピュータ・シミュレーションによって検証を行う。


医学の世界には組織写真にみられるように,細胞の空間配置,形状など,画像情報の豊富な題材があるが,それらを数理的に解析する方法や,コンピュータによる解析手法が少なく,統計数理研究所との共同研究が必要とされていた。本研究の目的は組織写真,超音波断層写真などの医用画像を使用して
(1)細胞の空間配置分析,(2)細胞の形状分析,(3)形状などの画像情報について,画像の特徴抽出に関する要因分析等を,またこれら画像解析について,数理モデルとコンピュータ・シミュレーションによって検証を行うことであった。
本年度は,当初の研究計画に基づき,細胞の空間パターン解析を,医学の具体的な課題を題材にして行った。すなわち,甲状腺の濾胞細胞(甲状腺種,甲状腺種様腺腫及び正常)の空間パターン解析を行った。この解析結果は,今後の臨床的検討と共に発表する予定である。また,超音波断層写真について,観察所見の項目についてデータ解析を行い,その結果を発表した。さらにこの画像解析の数理モデルを構築し,第3回国際ファジィ学会で発表した。
また,細胞分化についても数理モデルを作り,Bull.of Biomedical Fuzzy Systemに印刷公表した。今後,これら数理モデルを基にコンピュータ・シミュレーションを行い,検討を行ってゆきたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

S.Arita,M.Katagiri and K.Tsuji:”Fuzzy inference in medical diagnosis using ultrasonic images”.Proc.of The Third International Fuzzy Systems,488−491,1989
S.Arita,M.Katagiri,Y.Yamane,T.Harada and K.Tsuji:”An imaging diagnosis system for malignant thyroid nodules using a fuzzy inference”.Proc.of The Third International Fuzzy Systems,5−8,1989
有田清三郎:「ファジィ理論の診断ロジックへの応用」BME,3(11),34−39,1989
美祢弘子,有田清三郎:「Pleodorina californicaの細胞分化における”fuzzy cell”」.Bull.ofBiomedical Fuzzy Sys.1(1),36−44,1989
有田清三郎,片桐誠,山根康彦,原田種一,辻和男:「医学データの多変量解析(数量化理論)への応用−甲状腺腫の良・悪性判別−」統計学の数理的基礎と諸分野への応用に関する研究63年度・平成元年科研費(総合A)173−174,1990


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

医学の世界には組織写真にみられるように,細胞の空間配置,形状など,画像情報の豊富な題材があるが,それらを数理的に解析する方法や,コンピュータによる解析手法が少なく,統計数理研究所との共同研究が必要とされている。
具体的には(1)甲状腺腫の濾胞細胞のコンピュータによる空間パターン解析と充填率の算出,細胞の形状分析についての共同研究を行いたい。(2)この医用画像の実データを基にして数理モデルを構築し,コンピュータ・シミュレーションによって検証したい。(3)超音波断層写真における形状,縦横比,均質性,高輝度の個数等の画像情報を,数理と医学の両面から検討し,医学における画像解析の基礎材料や視座を与えたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

片桐 誠

川崎医科大学

種村 正美

統計数理研究所

原田 種一

川崎医科大学

美祢 弘子

川崎医療福祉大学