昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−10

専門分類

1

研究課題名

非線型構造を持つ多次元データの解析法の数理的研究

フリガナ

代表者氏名

ミズタ マサヒロ

水田 正弘

ローマ字

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多次元データ解析の理論的基礎として線型構造の解析があり,数多くの成果が上げられている。しかし,線型構造を仮定できないデータも少なくない。例えば角度データや特定の曲面の近くに分布していると考えられるデータでは,それらの特性を利用する方が有効である。そこで本研究では,角度データの解析等を中心に非線型構造を持つデータの解析法の開発を目的とする。


多次元データ解析の理論的基礎として線形構造の解析があり,数多くの成果が上げられている。しかし,線形構造を仮定できないデータも少なくない。例えば角度データや特定の曲面の近くに分布していると考えられるデータでは,それらの特性を利用する方が有効である。そこで本共同研究では,角度データの解析等を中心に,非線形構造を持つデータの解析法の開発を目的とした。
共同研究開始とともに,馬場助教授と水田講師は互いに連絡を密にしながら研究を進めた。昭和62年11月29日から12月4日まで,水田講師は統計数理研究所に出張し,研究の打ち合せを行った。この時,水田講師は統計数理セミナーにて「多次元データへの曲線の当てはめについて」とのテーマで報告をした。この報告では,2変量データに対して,2乗距離の総和が最小となる2次曲線を求めるアルゴリズムを提案し,その有効性の検討結果を示した。すなわち,この最小化の問題は6変数関数の最適化問題を解くことに帰着され,その関数の偏微分係数は数式処理システムであるReduceで一般的に求めることが出来ることを示した。
昭和63年2月1日から2月6日まで,馬場助教授は北海道大学工学部情報科学教室にある統計パッケージの調査および非線形構造用の解析ソフトの収集・検討のために同大学に出張した。馬場助教授は,曲線当てはめのアルゴリズムを数量化などの多変量データ解析法の解の評価に利用することを提案し,両者で検討した。
以上の経過により,今年度の共同研究では1.多次元データへ曲線を当てはめる方法,2.非線形構造用の解析ソフトの検討,3.数量化などへの応用,に関する成果が得られた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

水田正弘 データ点との最小2乗距離を有する2次曲線の導出法
1987年8月 日本行動計量学会
水田正弘 多次元データへの曲線の当てはめについて
1987年12月 統計数理セミナー(統数研)
馬場康維 Distribution of linked vectors and its application to Graphical analysis
1987年9月 46th Session of ISI
馬場康維 多次元データのグラフ表現とdirectional statistics
1987年11月 東京理科大学共同研究集会


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

多次元データが有する可能性のある非線型構造は非常に多様であるが,本研究では始めに角度として表現できる構造および曲面の近くに分布していると仮定できる構造を有するデータを扱う。その後,一般的な構造を有するデータを数理的に研究する。
統数研の馬場助教授は従来から角度データの解析についての研究成果があり,その基礎のもとに種々のデータ解析法の研究・開発を行ってきた。また北海道大学の水田助手は曲面構造を解析する方法である一般化主成分分析を研究・改良している。そこで両者の共同研究によって非線型構造を統一的に解析するための基礎理論の構築を目ざすことができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

馬場 康維

統計数理研究所