平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4410

分野分類

統計数理研究所内分野分類

j

主要研究分野分類

9

研究課題名

学内外の様々なデータベースと学術論文データベースを組み合わせた総合的な研究活動及び教育活動の分析

重点テーマ

学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ

フリガナ

代表者氏名

ヒロモリ アキヒト

廣森 聡仁

ローマ字

Hiromori Akihito

所属機関

大阪大学

所属部局

経営企画オフィス

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

117千円

研究参加者数

7 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

・研究目的
 学術文献データベースそのものに対する分析だけでなく,大学内外の様々なデータベース,特に大学内で活動する研究者に関わる情報を活用することで,研究業績と様々なデータを研究者レベルで統合した統合データベースを構築し,大学全体の研究活動及び教育活動に対する総合的な分析を実施する.この分析を通して,大学全体の研究活動の評価だけでなく,博士人材や若手研究者の支援,博士前期課程の教育内容及び博士後期課程の学生による研究活動の活性化など,研究大学としての様々な施策の検討に役立てることを目的とする.

・研究経過の概要
 学術文献データベースに蓄積される様々な研究業績は,個々の大学における研究活動の質を評価する上で欠かせないものである.これらに基づく分析の多くは大学を単位としたものであり,大学全体の質を示す一つの指標として,様々な大学ランキングに利用されている.一方,大学における研究活動は,個々の研究者や研究室を単位とする研究グループによって取り組まれるものであり,これら研究活動の質を適切に把握するためには,研究者単位で研究業績と,研究活動を支える学内外の諸活動との関連性を把握し,それらに基づき分析することが好ましい.
 本取組では,学術文献データベースに基づく研究業績に閉じた評価指標だけではなく,他のデータと組み合わせることで,大学における諸活動について多面的な分析を実現する.具体的には,学内外の様々なデータベースを個人レベルで組み合わせ,研究業績に関わる研究者の雇用形態,研究資金の種類や規模,学生に対する教育体制など,研究業績が創出された環境の特性を明らかにするだけでなく,より質が高くかつ多くの業績を創出できるよう,これらの事例を学内に浸透させ,大学内の研究活動及び教育活動の活性化を促す施策の検討に役立てる.平成28年度は,主に,「学内における構成員の名寄せ」と「学内データベースで保持するデータの一元化」を実施した.

「学内における構成員の名寄せ」:研究業績に関わる研究者の情報を適切に把握できるよう,学内に在籍する研究者の情報を統合する取組を実施した.研究に関わる研究者は多岐にわたっている.一般的に,大学内でこれらの研究者を統一的な名簿を保持しているものではなく,例えば,教員は被雇用者として人事システムで管理されている一方,学生は履修登録や成績管理のため学務システムにより管理されており,双方の名簿を統合する必要がある.また,学生が特任研究員として雇用されている場合もあり,本学においては,人事システムと学務システムの双方で個人情報が管理されており,同一人物の情報が重複しないように結合することが求められる.学内に分散するこれらの名簿を名寄せすることにより,学内における研究者情報の統一化を図った.平成28年度は,人事システム,学務システム,出張旅費システム,文部科学省による科学研究費補助金で保持する構成員の名寄せを実施した.しかしながら,厚生労働省による科学研究費補助金,財務会計システムについては,関連部局との調整が予定通りに進まなかったことから,これらのデータについての名寄せが為されていない.

「学内データベースで保持するデータの一元化」:大学の研究活動及び教育活動は多岐に及ぶものであり,アウトプットである学術文献データのみの分析だけなく,大学に関わる様々な活動から,その成果を分析及び予測することが望まれる.研究活動や教育活動の全容を網羅的かつ迅速に把握することは困難であるが,それらの活動の一端を示す学内外のデータベースを活用することで,研究者に新たな負担を強いることなく,諸活動を把握する.このデータの統合は,上記の名寄せによる名簿に基づいて実施する.具体的には,研究者の基本的な情報を把握するために学内で運営する研究者データベース,研究者の勤務歴を把握するために人事システム,研究者の教育歴を把握するために学務システム,研究者の学外の諸活動を把握するために出張旅費システムで保持するデータを統合する.また,学外に存在するデータのうち,外部資金の申請状況を把握するために府省共通研究開発システム e-Rad,外部資金の獲得状況を把握するために研究費科学研究費補助金データベースKAKENで保持するデータを統合した.一方,厚生労働省による科学研究費補助金,財務会計システムのデータについては統合できていない,この取組において統合されたデータに基づいた分析結果を,「統計数理研究所 共同利用研究集会 重点テーマ4:学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ」,「RA協議会第2回年次大会 「統数研 H.28 共同利用重点型研究「学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ」中間報告」」,「セミナー「IR実務者のためのR入門」と H.28 共同利用 重点テーマ4 成果報告会」にて紹介している.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・廣森 聡仁,和嶋 雄一郎,岡島 裕子,藤井 翔太,齋藤 貴浩, 「学内外の様々なデータベースと学術論文データベースを組み合わせた総合的な研究活動及び教育活動の分析」, 統計数理研究所 共同利用研究集会 重点テーマ4:学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ, 2016年5月
・廣森 聡仁,和嶋 雄一郎,岡島 裕子,藤井 翔太,齋藤 貴浩, 「学内外の様々なデータベースと学術論文データベースを組み合わせた総合的な研究活動及び教育活動の分析」, RA協議会第2回年次大会 「統数研 H.28 共同利用重点型研究「学術文献データ分析の新たな統計科学的アプローチ」中間報告」, 2016年9月
・廣森 聡仁,河野 麻里,和嶋 雄一郎,岡島 裕子,藤井 翔太,齋藤 貴浩, 「学内外の様々なデータベースと学術論文データベースを組み合わせた総合的な研究活動及び教育活動の分析」, セミナー「IR実務者のためのR入門」と H.28 共同利用 重点テーマ4 成果報告会, 2017年3月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催実績なし

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岡嶋 裕子

大阪大学

河野 麻里

大阪大学

齊藤 貴浩

大阪大学

藤井 翔太

大阪大学

和嶋 雄一郎

大阪大学