平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−44

専門分類

4

研究課題名

ジーニ統計学とその展開

フリガナ

代表者氏名

タナカ ツトム

田中 力

ローマ字

所属機関

立命館大学

所属部局

経営学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

コラッド・ジーニの集中係数は、経済量の分布解析において注目され、様々な理論展開と応用がみられるが、彼の統計学の全体像の研究は十分ではない。そこで、本研究はジーニ統計学を原典に即して研究し、その理論的パースペクティブを明らかにした上で、応用可能性を検討することを目的とする。


所得分布や資産分布の統計解析において、コラッド・ジーニによって開始された集中度による分析方法は今日的な再評価を受けている。本研究会は、ジーニの統計手法を原典研究を通してそのオリジナルな文脈の中で理解するとともに、現代的問題に応用するための方法論的発展をめざすものである。
今年度は、ジーニ文献資料の収集、法人企業統計を用いた実証研究および集中度に関する理論研究を行った。すなわち、文献については、C.Gini,Sulla misura della concentrazione e della variabilita dei carrateri (1914)をはじめとする、集中度に関するジーニの初期の論文を収集し、その概念形成について検討した。応用面では、法人企業統計を素材に分布型を特定したときの集中度の推定方法とその評価をおこなった。
理論展開としては、集中度と不平等度概念の拡張尺度について、集中度が等しいが分布が異なる場合の不平等度の比較尺度に関する数論的考察を行ったことである。これらの研究の成果の一部は、田口研究員が1997年度の経済統計学会で報告する予定である。
〔研究会の場合 開催期間:1997年2月21日 開催場所:統計数理研究所〕


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

田口時夫「Causalな統計推論とStocasticな統計推論について」経済統計学会全国総会にて
報告予定、1997年9月28日(於、京都大学)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究の実施は、主に研究者が統計数理研究所に出向き研究会を持ち、研究所の多くの資料と計算機を利用する形態で遂行する。ジーニ統計学の原典資料は、研究代表者および参加者がそれぞれイタリア留学中に収集したものを利用して準備し、適宜連絡と郵送を行い意見を交換する。また、応用面では、研究所所蔵のカレント雑誌から関連論文を参照すると同時に、経済統計や農業統計を用いて分析調査を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小林 雅裕

金沢経済大学

田口 時夫

東京経済大学

丸山 直昌

統計数理研究所

吉田 忠

大阪工業大学